- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
屋根を重くするのですか・・4
建築の構造として考えますと・・
本来、屋根は軽い方がよい。
これは常識です。
鉄筋コンクリート造などの固い剛構造でない木造や2×4やプレハブや鉄骨造などの建物の場合・・
頭が重い建物は地震や強風の際に重い頭が振られて壊れやすくなります。
が・・
そもそも頭が軽ければそんなことになる要因がありません。
それにこしたことはないのです。
そのために屋根メーカーなどは一生懸命に軽い軽量瓦や瓦以上に耐久性の高い軽いスレートなどの建材を長年掛けて開発してきたのですから。
そのせっかく軽くした住宅の屋根に1トンもの重さの物を載せる・・
でっかいビルやコンクリートの建物なら構いませんが・・
いえいえ、ビルだって同じです。出来ることなら重い空調機械や水槽や変電設備などは屋上よりも地下などに置きたい、スペースがもったいないのでのやっているだけのこと。
本来的にはあまりお勧め出来ることではありません。
しかし昨今では、そんなことは言っていられません。
太陽光発電を載せたり・・
蓄電池を載せたり・・
緑化のために屋根に土を敷いたり・・
などというのは建築がうんぬん言う前にこれからの社会や環境のためにもやらなくてはなりません。
そこで・・
頭が重くなっても大丈夫なように構造を検討し計算し建物は建てられます。
木造住宅などでもある程度までは載せても大丈夫なように検討しておかなければなりません。
が、それが木造住宅で1トンも、などとなると・・
流石にお金がかかります。
新築ならそれでも問題なく建てることが出来ます、お金だけの問題ですから。
問題なのは既設の住宅などの屋根に載せる場合です。
法律的にはすでに建っている建物の屋根に太陽光発電を載せることを規制する法律などはありません。
だからといって、ただ工事して載せればいいということではないのです。
だって重いのだから・・
再生可能エネルギーにシフトしなければならない、原発は極力なくさなければならない、そのためには家も協力したい!
とは誰もが考えることです。
しかし世の中そう簡単に都合良くはいかないのです。
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