第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(11) - 刑事事件・犯罪全般 - 専門家プロファイル

羽柴 駿
番町法律事務所 
東京都
弁護士

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対象:刑事事件・犯罪

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閲覧数順 2016年12月08日更新

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第4章 裁判官はなぜ怒ったのか(11)

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(第11回)
               
 第2回公判では、まずガードマンCさんが証言しました。
証言の内容は事前に私が聞いたところとほぼ同じでした。(コラム第8回参照)またCさんは法廷で実況見分の際にCさんの指示に基づいて作成されたという現場見取り図を示されて証言を求められましたが、事故直前に見た被害者の位置は実況見分の際に指示した位置(図4ア地点)より1メートルくらい後ろだった、と訂正しました。
 続いて現場監督のBさんも証言しましたが、その内容も事前に私が聞いていたことと同じでした。
終了に際して私は被害者の走行距離、経路などについて立証したいので、裁判官が現場に赴いて検証することを申請したいと考えている、と申し出たところ、裁判官としても、その点については検討してみたい、と関心がある口ぶりでした。
 第3回公判は、予想外の展開となりました。冒頭で検察官が、本日予定していた母親の証人尋問は留保し、現場での実況見分を再度実施して運転席からの見通し状況などを明らかにしたい、そのために本日は被告人質問を行いたい、と申し出て来たのです。しかも弁護人の申請した検証は不必要だといいます。
 私は、今になって検証ではなく実況見分をするというのはフェアでない、もしどうしても実施するというなら弁護人にも立ち会わせて欲しいと要求しました。なぜならこの状況下で警察、検察だけが行う実況見分では公平な捜査が期待できないと感じたからです。
 検察官と弁護人のこのようなやりとりを聞いていた裁判官は、弁護人の申請した検証を採用するかどうかを留保するとした上で、とりあえず被告人質問を行う、と裁定しました。
                       (次回へ続く)