- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
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「もっと良くなるためには、○○を○○された方が良いと思います」
あるセミナー講師の方が、受講生に改善ポイントを伝えるときに必ず前置きで使うフレーズです。
ダメ出しをされる受講生が、もっと成長する為に愛情と心を込めてダメ出しをされるのですが、その指摘は非常に厳しい所を付いてきます。そこはまったく手加減がありません。
なので、そのままガンガン言われると、ショックでショボーンとされる受講生が出てしまうのです。
でも、しっかりと具体的に厳しく指摘しないと、伝わりません。
しかし、相手が傷つかないように、やんわりと伝えても、相手の成長には繋がらない!
よし!相手の為に、しっかりと伝えるぞ!
そう確信してのダメ出しです。
でも、この講師は非常に優しい方ですので、相手を傷つけたりはしたくない。
だから、「もっと良くなるためには・・・・」と前置きしてからダメ出しするのです。
私も一度、私の10分セミナーをこの講師からフィードバックをいただきましたが、「もっと良くなるために」の前置きと、真剣な表情で、自分の修正ポイントは、非常に解りやすく伝わってきました。
この講師がされているのは、「アドバイス」です。
「叱り」ではありません。
でも、出来ていない所の厳しい指摘です。
受け手によっては、一見叱られているようにも感じるかも知れません。
受講生のプライドや経験が高かったりすると、人前でダメ出しを受けて、アドバイスをされると、本来それを想定して受講しているはずなのに、そのプライドが傷ついてしまう人もいます。
この講師は、きっとそう言う経験をされているのでしょう。
もしかしたら、自分自身も修行中に受け手側として同様の経験をされたのかも知れません。
「叱る」も「ダメ出しする」も「アドバイスする」も、目的は相手の成長です。
決して相手を傷つけることではありません。
しかし、相手軸に立って、相手の気持ちを理解しないと、自分の愛情が相手に伝わる前に、相手を傷つけてしまうことがあります。
親切心や相手への愛情で、相手を傷つけては、元も子もありません。
その為に行うと効果的なことが、「相手に対して自分はどう言うつもりで言っているのか」を伝えることです。
それが、冒頭の
「もっと良くなるためには、○○を○○された方が良いと思います」
なのです。
もちろん、これを言ったからと言って、自分の気持ちが期待通りに相手に伝わるとは限りません。
私も、「私は、あなたを否定しているつもりではないが・・・これこれは、こうだと思う」
と言ったのに、相手は全否定されたと思いショックを受けてしまった、と言う経験があります。
これは、私の伝える力が未熟であったことに加えて、まだ、相手が、受け止める準備が出来ていなかったのに、相手の感情を知る前に、自分が伝えたいことを伝えてしまったことが原因でした。
相手の成長を願う
その為に、相手の話を「聴く」
相手に確認をする
相手に自分の気持ちを伝えながら「アドバイス」をする
伝えながら相手の反応を確かめる
最後にどう伝わったのかを確認する
面倒且つくどい方法と思う方もいるかと思いますが、相手の為に、これくらい事は出来るようになりたいですね。
相手軸修行は、まだまだ続きます。
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