大槻 圭将(不動産業 不動産コンサルタント)- コラム「B024.一棟モノ購入後にやっておきたい3つのこと vol.03」 - 専門家プロファイル

大槻 圭将
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大槻 圭将

オオツキ ケイショウ
( 東京都 / 不動産業 不動産コンサルタント )
株式会社ノースエステート 代表取締役
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B024.一棟モノ購入後にやっておきたい3つのこと vol.03

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B.堅めの賃貸マンション経営 2016-12-14 14:12


昨年春ごろから上がり始めた「空室率」。
その原因は相続税対策と低金利ローン競争からの「供給過多」。
そもそもマーケットが小さなエリアにもアパートの建設ラッシュが相次ぎ、需給バランスが激変しました。
弊社で管理をさせて頂いているエリアでも、乗降客数が1万人に満たない駅に、類似競合物件が「4月竣工の新築だけで200戸」、なんていうこともありました。
ファンドバブルのころは都心RCが中心だったため、なんとかその供給を飲み込むことができましたが、郊外になると需給バランスの崩れが顕著に表れてしまうようです。
さらに空室率が上昇するであろう2017年フェーズを乗り切るために、「視点を変えたリーシング戦略」を「3つめのこと」としてお話いたします。
今、リーシングの現場で起きているリアルをいくつかを挙げますと、、
・郊外の短期間大量供給に需要が追い付いてくれない
・トラックレコードを用いた賃料査定、つまり過去の履歴から算出する賃料では「今」の多数競合に埋もれてしまう
・需要は供給の上位しか飲み込めず、いわゆる「相場」という中段では借主を取り込めない
こんな状況が、特に郊外で起きています。

そこで不動産オーナーとして考えられる選択肢のひとつを、特に需給マーケティングの視点からお話します。
まず重要なのはなんといっても類似競合物件の把握。
運営している物件の競合(駅徒歩、平米数、築年数)の賃料(坪単価)、敷金、礼金、そしてAD(広告料)のデータを集めます。
ADはネットに載っていないことが多いため、管理会社に検索条件を伝え「仲介業者が手にする図面」をそのまま貰う必要があります。
需要が少ないエリアで意識したいのは「募集中の物件は相場ではなく売れ残った物件」であるということ。
そしてその残った中で、決まっていくのは上位10%からで、需要を吸収したのちはリーシングの動きが鈍ってきます。
株式の売り板、買い板に例えますと、「現在値(相場)」は売り板の一番下の値で、その遥か上に売り注文を出していても、そもそも出来高が乏しく買い上げるパワーもない、そんな状況です。
そこで打てる施策のひとつが「ファーストチョイス物件を募集条件で作る」という施策。
例えば、下記。
・賃料(坪単価)を競合上位10%に持っていく
・初期費用を抑えたプランにする(火災保険までも貸主負担にするワンコイン賃貸まで出てきています)
・入学式までフリーレント!
上記は買い板に当てていくパターンの「借主にとってのファーストチョイス物件」ですが、さらに「仲介業者にとってのファーストチョイス物件」という切り口もあります。
これは「AD(広告料)を競合よりも多く出す」という施策です。
弊社の物件オーナーの中には「賃料は下げず、その代わりにADを競合の中で明確な1番に」という募集方法を取られる方もいらっしゃいます。
需要の少ない、そして季節要因が大きいエリアでは、その時期を逃さず「誰かのファーストチョイス」にして早期契約を目指すのも考えてみたい施策の一つです。


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