非定型うつ病(3)
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2007-04-20 00:00
治療は、そもそもこの病気がアメリカにてMAO阻害薬という薬の効果ある一群として定義されたため、MAO阻害薬が効果的なのですが、日本では使用できません。それに代り SSRI, Serotonin Selective Reuptake Inhibitor が効果的と言われています。また躁うつ病が合併している時は気分安定薬を、パニック障害が合併している時は抗不安薬を併用するのが適切です。従って、その時々の気分や病状をよく把握しながら適切な薬物を選ぶ必要があるのです。
一方で認知行動療法といった精神療法も効果的です。非定型うつ病の特徴として、拒絶への過敏さがあり、他者の言動や環境の変化に敏感に反応する傾向があります。このため面接においてはご本人の認知や行動を客観的に捉え、現実的に適切な意思決定をしていくことを援助してまいります。特に境界性人格障害をはじめ性格の問題を伴っている場合は一時的な対応にとどまらず、長期的な治療が求められます。時には幼少期や思春期からの親子関係や友人関係も振り返りながら、現在の対人関係・葛藤状況に焦点を当てた精神療法を行います。これらは直ぐに解決する問題ではありませんが、銀座泰明クリニックでは治療者との信頼関係のもと、忍耐強く治療を継続していくことにより、少しずつ改善してまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
銀座泰明クリニック