医者からの嫌がらせ〜ドクハラ(3)
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2007-01-26 00:00
これに対して最近ようやく高まっている概念がインフォームド・コンセント、説明と同意です。そもそも1957年のアメリカにおける医療訴訟を契機に生じてきたものですが、昨今、訴訟の相次ぐ日本においても広く認知されてまいりました。「患者さんに対して病状を十分に説明し、同意を得た上で治療を行う」ことで、基本には医者と患者さんとが目線の高さを等しくすることが求められます。一般社会においては当たり前のような話ですが、医療においては上記のような背景があったため、なかなか実現してこなかったのです。
但し説明し過ぎるのにも問題はあります。稀な薬の副作用をいくつも挙げれば、患者さんはむしろ不安になり服薬を躊躇ってしまいますし、特に精神科においては、うつ状態の患者さんは判断力や決断力が低下していらっしゃいますので、情報が多過ぎることで具合が更に悪くなってしまうこともあるからです。(続く)
銀座泰明クリニック