矯正治療の中断

東京都立川市ひるま矯正歯科の晝間康明です.

歯を1本抜いた状態で放置すると,抜いたスペースに両隣の歯や噛みあっていた歯(抜いた歯が下顎なら噛みあっていた上顎の歯)が移動してきて噛み合せが変化し,噛みにくくなる事が予想されます.
しかし,抜いた歯のスペースを埋めるために両隣の歯を削ってブリッジにする事は,削った歯の寿命を短くするため,お勧め出来ません.

したがって,抜いた歯は元に戻せず,歯を抜いた事で出来たスペースも放っておく事が出来ない事から,ここで中断せず矯正治療をやり遂げる事が最も良い方法だと思います.

また,インターネットで検索すると痛く無い矯正や歯を早く動かす矯正と言うものはたくさんありますが,科学的な検証が行われ専門家が見て納得できる痛く無い早く動かす矯正はありません.
したがって,通常の矯正をきちんとした技術・知識・経験を持った歯科医師により行なってもらう事が無駄な痛みや時間をかけずに治療する事,すなわち痛みも少なく早く治す治療になると言えます.

憶測ですが,抜歯の痛みが想像以上に強くて矯正の中断を思われたのではないでしょうか.
もし,そうであれば担当医に現在の心境を伝えて,今後の様々なリスクを前提として矯正治療を中止するか,継続するかを相談し,じっくり時間をかけてお決めになる事をお勧めします.

現在の年齢が23歳と言う事は,平均寿命から考えても後60年は現在の歯を使う事になります.
歯は爪や髪の毛のように後から生えたり伸びて来るものではないので今の歯を長持ちさせるしか方法がありません.今回の決断が,後に間違いだったと思わないためにも慎重な判断をお勧めします.

取り急ぎ回答とさせて頂きますが御不明な点があればお気軽にお尋ね下さい.

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