寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ説明責任
-
こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。
今回の2021年度介護報酬改定により、基本報酬はじめ加算の新設・見直し等もあり、変更内容については今後ご利用者様への周知が必須となります。
報酬改定や運営基準の改定は重要な変更となるため、重用事項説明書を変更して、改めてご利用者様に説明・同意・控えの公布を行わなければならなくなります。
1月18日に示された介護報酬改定に関する省令改正は、諮問・答申を経て1月25日付で官報に掲載されましたので、正式に決定したことになります。
今から重説・運営規程等を作り直す準備を始めなければなりません。
重説の変更の作業は当然しなければならないことなのですが、それ以上に重要なことがあります。
それは、ご利用者様への説明です。
今回、介護報酬がプラス改定となったことで、事業者にとってはある意味ありがたい方向となりました。
しかし裏を返すと、報酬がプラスになったということは、ご利用者様への負担増となるわけであります。
介護報酬は公定価格であり、定期的な報酬改定で自己負担は変更になることは、利用契約の際にもご利用者様にはお伝えしているはずですので、それ自体には問題はありません。
しかしこのご時世、年金が削られ、税金や保険料等も上がり、どうしても可処分所得が下がりがちです。
特に高齢者にとって、自己負担額が上がるというのは、それが軽微であっても楽ではありません。
今回は基本報酬も増額になるサービスがほとんどなので、結構な額の自己負担をお願いすることとなります。
特に通所系サービスにおいては、前年度の延べ利用者平均に比して当月実績が5%以上落ち込んだ場合に、基本報酬の3%を上乗せして請求することが可能となりましたが(3ヶ月限定。特例あり)、中には納得できないというご利用者様も出てくるのではないでしょうか。
今回、コロナ禍により、多くの通所サービス事業所においては前年比で5%以上稼働が下がっているようですので、この特例を年度初めにいきなり活用することとなるでしょう。
うまく説明が出来、ご利用者様から同意をいただければよいのですが・・・
こういった「説明責任」は、本来業務として事業者が担うこととなります。それは当然のことであり、事業所の責務であることは言うまでもありません。
しかし、更なるご利用者様負担をお願いするのは、非常に負担であります。
ほとんどのご利用者様は、納得してくださるでしょう。
しかし、ご利用者様の中には「サービスが変わらないのに、なぜ負担が増えるのだ」と不満をぶつける方も、少ないながら一定数存在するのも事実です。
国や自治体は、介護報酬がアップし利用者負担が増えることを、国民(市民)に周知する必要もあるのではないでしょうか。
反面、ご利用者様側の理解も必要です。
社会保障費の逼迫は非常に深刻で、もはや待ったなしの状態です。
震災やコロナ禍もあり、今後税金が上がっていくことは避けられません。
今後人口も減少し、ますます生産年齢人口が減っていく中、高齢者はしばらくの間増え続けます。
現役世代の負担をこれ以上増やさないよう、厳しい言い方かもしれませんが、高齢者の皆さまにも一定のご負担にご理解いただく必要はあると思います。
そうでないと、制度自体が立ち行かなくなるからです。
このような状況下において、今回事業者様はご利用者様に説明責任を果たさなくてはなりませんが、どうか頑張っていただきたく存じます。