寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「科学的介護②」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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寺崎 芳紀

テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
株式会社アースソリューション 代表取締役
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科学的介護②

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2021-01-30 08:00

こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。


本日は、科学的介護②ということで、「ADL維持等加算」について取り上げます。


以前も少し取り上げたことがありますが、今回大幅に算定要件が緩和され、かつ報酬額も上がりました。


ADL維持等加算(Ⅰ) 3単位 → 30単位 

ADL維持等加算(Ⅱ) 6単位 → 60単位 

※(Ⅰ)と(Ⅱ)の同時算定は不可


と、10倍に増えたのです。


今回の改定で、(Ⅰ)(Ⅱ)ともCHASEに情報提供し、フィードバックを受けることが要件に追加されました。また(Ⅱ)を算定する場合は、ADL利得の平均が2以上であることが求められます。



まあ、従来の加算があまりに低すぎて、取得するのもバカバカしい内容でした。

当然ながら取得率も低く、大不評でした。


厚生労働省も反省したのか、今回大幅に報酬をアップしたわけであります。

まあ、それでも報酬額には賛否ありますけれども、仕方がないですね。


報酬の増額もさることながら、今回は算定基準も大幅に緩和されました。

改定後は、下記の算定要件が削除されることになります。


①「5時間以上のサービス」を「5時間未満のサービス」より多く利用している利用者を対象とする。

②要介護3以上の利用者が15%以上

③初回の要介護認定の月から12か月以内の利用者が15%以上


です。


①については、上記文言が削除され、「利用者総数が10名以上」という要件に緩和されます。

従って、ほぼすべての通所介護事業所が算定の対象になり得ることとなります。短時間サービスの通所介護事業所も、今後は算定することができるようになります。


ちなみに、従来は(地域密着型)通所介護のみ対象でしたが、今後は認知症デイ、特定施設、特養も算定対象となります。


②について、要介護要件が撤廃されます。

従来は、要介護3以上の利用者が15%以上いることが条件の一つでした。

国としては、重度化防止を重要施策として掲げております。中重度の方を機能訓練によってADLを向上させることで、重度化防止を目指そうという意図があるわけです。


しかし、加算が全く機能しなかった。

そのため、要件を大幅に緩和することによって、算定しやすくしたということです、


③についてですが、この要件を設定した背景として、恐らく新規認定者の方が機能訓練の効果が出やすいという考えがあったのではないかと思います。

しかし、あまりにうまみがなさすぎる加算のため、事業者が見向きもしない状況になったため、すべて撤廃したと思われます。


機能訓練等の成果がより表れやすい部分に焦点を当てるというのは、確かに理にかなっています。

しかし、算定事業所がないことには話になりません。


今回の改定で、「算定してもメリットがない加算」から「積極的に算定すべき加算」に生まれ変わります。


改定内容については、やはり賛否あります。

でも、そんなことを言っても始まりません。現状でできる限り努力をし、加算を取れるだけ取ることが今後の介護事業経営には必須になってまいります。


次回は、「科学的介護連携体制加算(新設)」について取り上げます。



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