寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「通所介護の報酬の臨時特例が変わる!」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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寺崎 芳紀

テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
株式会社アースソリューション 代表取締役
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通所介護の報酬の臨時特例が変わる!

- good

2021-01-25 05:46

こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。


今回は、2021年度の介護報酬改定の内容から、「通所介護等の報酬臨時特例」についてお伝えします。


コロナ禍により利用者が減少した事業所の救済措置として、この「臨時特例」がありました。
要件を満たした事業所については、実際に提供したサービス区分より2区分上位の区分を、毎月一定回数分だけ算定できる、というものです。


これが、次回改定で変わることとなりました。
内容は下記の通りとなります。


当該月の利用者の実績が当該月の前年度における月平均の利用者数よりも100分の5以上減少した月の翌々月から3ヶ月以内に限り1回につき所定単位数の100分の3に相当する単位数を所定単位数に加算する。ただし、利用者の減少に対応するための経営改善に時間を要することその他の特別の事情があると認められる場合は、当該加算の期間が終了した月から3ヶ月以内に限り、引き続き算定する事ができる。


ということです。


行政がいう「前年度」とは、4月から翌3月のことを指します。
「当該月」を2021年1月と設定した場合、その「前年度」ですと2019年4月~2020年3月までとなります。前年度(2019年4月~2020年3月まで)の月利用平均を計算した結果、仮に100名だったとします。


ところがコロナ禍等による利用控えがあり、当該月(2021年1月)の利用者実績が95名になってしまったとします。
上記の場合、利用者数が100分の5(95÷100)、すなわち5%減少したことになりますので、救済措置が適用されるということになります。


具体的には、当該月の翌々月(2021年3月)から3ヶ月間(この例では2021年5月まで)、所定単位数(基本報酬。
加算は含まず)の100分の3に相当する金額を加算することができる、ということです。
例えば、3時間以上4時間未満 要介護1の方ですと、所定単位数は「364単位」になります。
これに100分の3を上乗せすることになりますから、364単位×1.03=379単位(端数切捨て)になるわけです。


ただし、これは原則3ヶ月間の救済措置なので、その間に頑張って業績回復に努めてくださいね、ということです。


しかし、経営改善に時間を要する場合その他特別な事情がある場合は、さらに3か月間延長(この事例では8月まで)される、すなわち100分の3の上乗せ請求が3ヶ月間延長可能、ということになります。
請求の際には、推測ですが専用のサービスコードが存在しているものと思いますので、それを使うことになるでしょう。


注意点が一つ。

大規模事業所の場合は取り扱いが変わります。

一律に3%増額されるのではなく、事業所区分の変更(例えば大規模Ⅰ→通常規模へ、大規模Ⅱ→大規模Ⅰor通常規模へ)が優先されます。



内容についてはわかりにくさもあり、いろいろ賛否もありますが、事業所への救済措置としてはありがたい話ではないかと思います。


1月に緊急事態宣言が再発令されましたが、前回と同様介護サービス事業所には営業自粛は求められていません。前回は大混乱しましたが、今回は特に現場での混乱は聞かれません。


しかし、いつ何が起こっても対応できるようにと、国もいろいろ方策を考えてはくれています。
以前のコラムでも書いたように、今後事業所は感染症や災害等が起こっても、プランB・プランC・・・といった感じで対応ができるよう、準備をしておく必要があるということです。



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