寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「介護事業における「ローカルルール」の存在」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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寺崎 芳紀

テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
株式会社アースソリューション 代表取締役
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介護事業における「ローカルルール」の存在

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2021-01-23 08:00

こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。


本日は、介護事業におけるローカルルールについてお話いたします。

随分前にもこのコラムで取り上げましたが、


介護事業を運営されている方であればご存知かと思いますが、介護事業は「介護保険諸法令」に基づいて運営することが求められております。


しかしながら、実際は各都道府県や市区町村が条例を定め、運営されているのです。

もちろん、条例はその上位である法律に基づいて制定されるわけなのですが、その運用方法は地域によって異なることは非常に多いのが実情です。


これが「ローカルルール」です。

このローカルルールの存在が、介護事業の運営を難しくしている原因の一つになっています。


例えば、書類の保存期間についてですが、法令では保存期間を2年間と定めています。

しかし、多くの地域では「5年」としており、法令に基づいて運用していると実地指導で指摘を受けることになります。


書式の形式についても、各地域で本当にバラバラです。

報酬改定の際に新たな加算が創設される際、当然算定にあたって必要な書類が発生します。

その際に必ず国から「参考様式」というものが発出されるのですが、ほぼ確実に都道府県や市区町村にてアレンジが入ります。


ですので、同じ加算を算定しようとしても、地域によって様式が異なるため、書類作成に苦心させられてしまうのです。


実際私も、このローカルルールがあるために、何度か実地指導で行政とバトルになったことがあります。

基本的には行政とは良好な関係を築くのが当たり前なのですが、許しがたいことはたくさんありました。


ローカルルールについては、申し上げたいことがほかにも山ほどあるのですが、キリがないのでこれ位に・・・


政府もこれを問題視し、2019年あたりからローカルルールの撤廃をすべくワーキンググループを設置し、議論が行われるようになりました。


昨日のコラムで、介護記録や帳票のデータ化が可能になった旨の記事を書かせていただきましたが、私はこれについてもローカルルールがはびこるのではないかと懸念しております。

また同時期に、書類によっては押印不要となるオペレーションに変わっていきますが、こちらについても同様の懸念があります。


地域によってルールの解釈が変わることに、一体何の意味があるのでしょうか?

こんなことを議論すること自体、時間の無駄です。


特に「公的文書の押印不要」については、現政権の肝入り政策の一つであるわけですが、こちらについても全国共通ルールを定めていただきたい。


介護職員(特定)処遇改善加算については、2019年度から全国共通書式化しました。

これが運用できたわけですから、どうか基本的にすべての業務についてはローカルルールなるものは無くしていただき、シンプルな運用ができるように変わってほしいと願っています。



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