寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ介護事業所におけるマネジメント②
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こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。
本日は、「介護事業所におけるマネジメント」というテーマの2回目として、投稿させていただきます。
前回のコラムで、介護事業所における管理者の業務について、主として「コンプライアンスの遵守」「人事・組織マネジメント」「収支に関するマネジメント」があるとお伝えいたしました。
上記は、まあ当たり前と言えばそれまででありますが、「介護保険諸法令に基づくマネジメント」を強く求められている点が、業界特有の責務であると思います。
人材不足が叫ばれて久しい中で、これを行うことは容易ではありません。
私も非常に苦労した経験がありますので、よくわかります。
介護事業所の管理者が大変な理由は、実はこれだけではありません。
それは、非常に多くの場合において、管理者は現場業務を兼務しているのです。
「兼務」とは、例えばデイサービスにおいては、管理者と相談員を兼務している方は多いですし、訪問介護でも管理者とサービス提供責任者を兼務している方も多いのが実情です。
しかし、法令上認められている兼務ではなくて、現場に入ってスタッフさんとともに仕事をしている管理者となると、もっと多いはずです。
純粋に、管理者としての仕事に特化している方は、恐らくほとんどいないのではないでしょうか。
実際、私もそうでした。管理者だから現場の仕事はしないだなんて、そんな悠長なことは言っていられませんでした。
デイサービスの送迎、食事の配膳下膳、見守り、排泄介助、時には夜勤と、できる限りの現場フォローはしてきたつもりです。
人員にゆとりがあったわけではありませんから、フォローしないと現場が回っていかないのです。
恐らく、これが介護事業所の管理者の現実であると言っても過言ではありませんし、非常に過酷であることを物語っていると言ってよいでしょう。
ある程度規模の大きな施設であれば、それほど管理者が現場に入るケースは減るのかもしれませんが、そうでないと難しい。
例えば、認知症グループホーム等では管理者が夜勤に入ることなど普通にあります。
私も、住宅型有料老人ホームの施設長をしていましたが、業務は膨大にありました。
通常の管理者としての業務のほか、毎日のデイサービス送迎や食事の配膳下膳等も行い、かつ新規開設施設の開設許可申請の書類作成等もしておりましたので、月200時間以上の残業はザラでした。
そんな状況下で、例えばスタッフさんから「退職したい」との相談等を受けたりすると、本当に頭が真っ白になる思いでした。業務は回っていくのだろうか、シフトは崩壊してしまうのではないか、と。
もちろん、管理者としてのルーティーンが止まることはありません。
恐らく、程度の差こそあれ、日本の介護事業所の管理者は皆、このようなご苦労を抱えていることと推察いたします(いや、間違いなくそうだと思います)。
次回は、介護事業所において求められる管理者像について、書かせていただきたいと思います。