寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「通所系サービス等における口腔機能向上の取組み」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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通所系サービス等における口腔機能向上の取組み

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2020-12-23 08:00

こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介の「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。


来年度の介護報酬改定の審議報告の中に、「通所系サービス等における航空機能向上のための取り組み」について言及がありました。


もっとも、分科会で議論されたことをまとめたものが「審議報告」であり、分科会のサイトにはもっと細かい資料がアップされていますが、審議報告(案)には下記のような記載がなされています。


利用者の口腔機能低下を早期に確認し、適切な管理等を行うことによって、口腔機能低下の重症化等の予防、維持、回復等につなげる観点から、介護職員が実施可能な口腔機能のスクリーニングの実施を評価する新たな加算を創設する。その際、目的及び方法等に鑑み、栄養スクリーニング加算による取組・評価と一体的に行うものとする。


と。


補足ですが、この加算も「VISIT」や「CHASE」へのフィードバックを狙っており、データ提出をした事業者にはさらに手厚い加算額を設定するようです。

かなり躍起になっていますね、厚生労働省は。


口腔機能の維持や栄養管理については、高齢者の心身状況の維持にものすごく重要なので、通所系サービスにおいて導入されること自体は大変良いことだと思います。


あとは、単位数がどれくらいか、ですね。

予想ですが、機能訓練(リハビリ)系には「卒業」という概念があるため、長期にわたって算定できる加算とは思いにくい部分があります。

加算自体は算定すべきだと思いますが、単位数が高くない、あるいは算定要件が厳しいようですと、算定率は上がらないような気もします。


また、いわゆる短時間型のリハビリデイサービスにおいては、食事サービスがないところが多いのが実情です。食事の提供がないのに、「栄養スクリーニング加算と一体的に」と言われても、難しいような気もします。


ご利用者様の中には、通所系サービスを複数利用している方もたくさんいらっしゃいます。

食事サービスを実施している事業所とそうでない事業所とで、どのように棲み分けていくのでしょうか。

口腔機能向上計画のようなものを作成して機能訓練しても、複数の事業所がこの新規加算を算定するとなれば、その評価は簡単にはいかないような気もします。

実際に機能訓練を行うサービス事業所はもちろん、ケアマネジャーも把握が大変です。


通所系サービス(特に通所介護)では、今回の報酬改定でまた苦しい思いをさせられてしまうので、取れる加算は最大限算定したいところです。

反面、その意向が強いあまり、「加算を算定する事業者本位」で取り組まれてしまいかねない懸念もあります。加算算定が目的化されれば、中身があまり伴わない。結果的に、ご利用者様へのベネフィットが伴わなくなるような気がするのです。


要は、加算の中身の問題ですよ。


新加算の具体的な内容はまだわかりませんが、内容によってはまたまた形骸化してしまうような気がしてなりません。




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