寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「介護予防支援の取り扱い~介護給付費分科会にて~」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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寺崎 芳紀

テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
株式会社アースソリューション 代表取締役
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介護予防支援の取り扱い~介護給付費分科会にて~

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2020-12-10 08:00

こんにちは!介護経営コンサルティング・介護施設紹介「株式会社アースソリューション」の寺崎でございます。


11月26日に開催された介護給付費分科会において、予防ケアプランの問題点と対応案について、議論されました。


分科会にて提示された資料によると、地域包括支援センターが居宅介護支援事業所に対して予防プランを委託したケースが47.7%あったとのこと。約半数が居宅ケアマネさんに委託をしているということです。


本来は、予防支援は地域包括支援センターの仕事。

しかし、包括はやるべきことが多すぎて、とても抱えきれない。だから、居宅ケアマネにお願いしたい。


ですが、委託は思うように進まない。理由は、報酬が安すぎるから。

431単位/1名の単位数で、包括と居宅とで報酬を分ける(双方の契約により配分割合を定める)ので、実際にい居宅介護支援事業所に入る報酬は1プランあたり3500円位でしょうか。


要介護であれば、最低でも月1件あたり1万円以上はもらえます。

予防支援の報酬が極めて安い!!ここが大きな問題の一つです。


実収入ベースでは、予防支援と介護では、約3倍の開きがあります。そうであれば、予防ケアプランの手間は介護の3分の1でよいはずです。

しかし、ケママネさんの手間は、支援も介護もそんなに変わらない。相手は人間なのですから、理屈通りには行きません。手間が非常にかかるのです。

手間ひまもそれほど変わらないのであれば、そりゃ受けたくないと思うのも当然です。


とはいっても居宅の場合、包括からの紹介が多いので、営業戦略上無下に断ることもできないため、ある程度は予防プランも受けているというのが現状のようです。


このような問題点を分科会でずっとしてきた。

これを受けて、厚労省が提案したのが「委託連携加算(仮称)」です。


また加算かよ??? と思ってしまいました。


詳細は決まっていないので、どうなるかはわかりません。

少なくとも、現状を見直す(何らかの形で報酬をアップさせる)ことにはなりそうです。

しかし、それを加算で評価をするという案。非常に微妙だな、という感じがいたします。


加算が増えすぎて困っているので、何とかスリム化したいという話があったはずですが、その話はどこかへ行ってしまったのでしょうか?


加算でも何でも、報酬が増えることは事業所にとってありがたいことではあります。

しかし、加算を新設をすると、ほぼ確実に各種書類の整備が求められ、次回実地指導で指摘の対象となります。


要は、負担が増えるわけですよ。

こういう状況では、私は思惑通りに進むとは考えにくいと思うのです。


基本報酬そのものを引き上げるのが、よほど嫌なのでしょうね、国は。

まあ、財務省からはしきりに「介護報酬の引き上げ」を強く反対されていますからね。今回はマイナス改定にはならず、プラスになるとは思いますが、今回の報酬改定、なかなか抜本的な問題解決には至らなそうな予感もいたします。


現場では、予防プランにおいて居宅への「丸投げ」も問題になっています。

事前の情報収集もほとんどせずに、問い合わせだけ受け居宅へ振るといった乱暴なやり方も横行しています。


こればかりは、基本報酬を大幅に上げないと、本当に厳しい。

介護予防は、重度化を防ぐ意味でも非常に大事な考え方です。ここを疎かにして、何が適正化ですか!!

この部分を手厚くして、重度化を防ぐ方向にもっていかないと、一向に改善はしないように思えてなりません。


分科会での提言に期待します。

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