寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「ヘルパーの高齢化~訪問介護事業に明るい未来予想図は描けるのか~」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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寺崎 芳紀

テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
株式会社アースソリューション 代表取締役
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ヘルパーの高齢化~訪問介護事業に明るい未来予想図は描けるのか~

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2020-11-05 08:00

こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。


少し前に行われた介護給付費分科会(10月22日実施)において、訪問介護や訪問看護等について俎上にあがり、議論されました。


委員から真っ先に声が上がったのが、ヘルパーの人員不足について。

あらゆる介護サービスの中で、私は一番深刻なのが「訪問介護」だと思っていて、ヘルパーの人材不足は本当に何とかしないと大変なことになってしまいます。冗談抜きで。


分科会資料を見て、改めて愕然としたことがあります。

それは、ヘルパーの年齢構成等です。


訪問介護のヘルパーは、男女比が1:9と、圧倒的に女性で占められています。

仕事の性質上、ある程度自然な形ではあるのですが、問題はそれだけではありません(後述)。


年齢構成については、60歳以上が39.2%と約4割を占めており、30歳代以下はわずかに13.7%。

このように数値化したものを拝見すると、この問題が極めて深刻であることを痛感させられます。


一番よいのは、やはり30代~40代が中心となり、ミドル層だけでなくシニア層にも活躍のフィールドがあるような組織形態だと思うのですが、訪問介護の場合は完全に歪な状況になっています。40代を過ぎたあたりから、加速度的に増えていくのです。


訪問介護事業を永続的に行うには、やはり年齢層に偏りがあるのは危険です。

シニア層が活躍されていること自体は、大変喜ばしいことではあるのですが、この層が業界を支えているという事実は、非常に恐ろしいことと思わなくてはなりません。


シニア層が、10年後も戦力であり続けられるのか。

多くの事業者が、シニア層が事業を支えており、10年後の戦力構図に頭を悩ませている。

ですので、私が申し上げていることは、どの事業者の経営層もご存知のはずです。


このままいけば、10年後には訪問介護の担い手がほとんどいなくなり、破綻の道へと進むのは明らかです。

ヘルパーがいなくなれば、在宅介護など成り立たなくなります。


施設入所や社会的入院が、社会保障費を圧迫するということで、地域包括ケアシステムを構築し、いくつになっても住み慣れた地域で生活できるように仕組みづくりをしてきたはずです。

上記を実現させるために、訪問介護事業はまさになくてはならない重要ファクターなわけです。


国は、ここまで現状分析をしているのでしょうか。


菅政権が、介護の問題を重く受け止めるか、はたまた財務省の考えの通り社会保障費を徹底的に削っていく方向に進むのか・・・

明るい未来予想図が描けるか否か、今業界は非常に重要な岐路に立たされていると思います。

それ位、訪問介護に突き付けられている現実は、厳しいものがあるのです。


一般の方々にも、少しでもよいのでこの現実を受け止めていただきたい。




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