寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ介護サービス情報の公表システムの改修
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
厚生労働省にて、「介護サービス情報公表システム」の改修に乗り出すとのこと。
菅政権肝入りである「IT化の推進」は、介護分野にも手を付ける模様であり、それはぜひとも行っていただきたいことではあります。
しかし、情報公表システムにテコ入れ、本当に行うつもりでしょうか?
このトピックが、過去コラムの焼き直しになっており、誠に恐縮です。
この論点を取り上げるたびに、一貫して申し上げていること。
それは、現行の情報公表システムなど存在の意味が見いさせないので、至急撤廃すべきだということです。
公表システムができた経緯や存在意義については、過去に何度取り上げておりますので割愛しますが、要は第三者が介護サービス事業所の体制状況等をつぶさに確認でき、よりよいサービスの選択に資するために、建前上は存在しております。
しかし、一般の方のご家族に介護が必要な事態となった際に、このシステムを活用しているかと言えば、私はほとんどないと思っています。
もちろん、ゼロとは申しません。
しかし、国が予算をつけ、かつ事実上全事業者に手数料を強制徴収させてまで、このシステムを維持する必要性があるとはとても思えないのです。
個人的には、介護事業者向けに営業したい会社が、データベースとして活用しているに過ぎないのではないかと思っている位です。それから、サービス事業者間の情報収集とか・・・
実際は、それ以外に活用できているとは考えられません。要は、本来の目的通りには使われていない、と言いたいのです。
このシステムがなくても、情報収集は十分可能です。
必要なのは、ご利用者様が住む地域の介護サービス情報です。それ以外の地域の情報は必要ありません。関係ない情報ですから。
ですので、地域単位で事業者情報をご利用者様等に提供すというなら、まだマシです。
でも、このシステムの構築や運用、国レベルでやる事業でしょうか。
作った方、運用されている方には申し訳ないのですが、こんな無駄なシステムはいち早く廃止し、別のところに余ったお金を回すべきです。
例えば、実地指導を徹底的にやる。
指定期間(6年)中、最低でも1回はすべての事業所に実地指導が入れるようにすべきです。
新規指定から更新まで、一度も実地指導に入らない事業所が、山ほどあるのですから。
昨年春から、国も動き出して実地指導を強化するようはなっていますが、マンパワーが足りないので十分ではありません。こういうところに、予算を付けるべきです。
それから、地域包括支援センターの事業にも。
今後、包括の役割はますます多岐にわたり、多機能な運営を求められます。
しかしここでも、マンパワーが足りず、コロナ禍における保健所に似たような現象(業務の多忙さ)が起こっています。
今の情報公表システムでは、事業所の質の良し悪しを確認することは、まずできませんね。
物事の本質を考えるならば、こんな意味のないシステムは一刻も早く廃止していただきたい。
それよりも、サービス利用者や提供者が直接的にメリットとなることに、もっと予算を振り分けてほしい。