寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ加算の取得率と今後の報酬改定の行方
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
来年の介護報酬改定に向け、分科会で議論が進んでいます。
各業界の代表の方々が、サービス提供における現状を訴えられているのですが、そこで必ず触れられるのが「報酬増額」です。
各団体では、口を揃えて「基本報酬の増額」を訴えていらっしゃいます。
内容によっては、確かに基本報酬を上げてくれないとさすがに厳しいのでは?、と思います。
分科会では、サービスごとの加算取得率を公表しています。
膨大な量になりますので、詳細は話は控えますけれども、中には加算取得率が数%というようなものも存在します。
現場サイドの立場(私も基本的にこの立場にたっています)からすれば、加算取得率が低いのは加算設計に問題があるからだ、と言いたくなります。
もちろん、分科会も業界団体からの意見を聴き、議論→意見のすり合わせをした上で国に審議報告をしますので、ある程度はくみ取ってくれると思います。
しかし、最終的に決めるのは国(厚生労働大臣)です。
現場サイドの意見を吸い上げて、良い方向に向かってくれることを祈るばかりです。
ただ、なかなかそううまくはいきません。
私見ですが、取得率が低い加算は、そのままフェードアウトしてしまうのではないかという気がしています。「ニーズがないからいらないだろう」ということで、廃止になってしまうのではないかと・・・
反面、加算取得率が低い要因は、このコラムでも指摘しているように、手続きが面倒過ぎて取得のメリットがあまりに低いからという話もあります。
ニーズがなければ廃止するのはやむを得ないとして、ではなぜ一度創設した加算の取得率が低いのか、そこを考えていただかないと困るわけです。
これも私見ですが、「取得率が高い加算を基本報酬に含めるか」というと、その可能性は低いと思われます。
国は、できればそんなことしたくないのです。加算は、国が介護保険行政に向けしっかり取り組んでいますよ、という意思表示(アピール)になってしまっているのかと思ってしまう位です。
中身の薄い加算を作って、それで介護保険行政にしっかり取り組んでいると捉えるには、相当無理があります。
ですので、単に取得率が低いだけの理由で、制度設計をやすやすと変更してしまうのは、私はやめた方がよいのではないかと思います。
一番重要なのは、「本当に必要なサービスなのに加算率が低い理由」「加算でなく、基本報酬に含めることが可能かどうか」を吟味することです。その上で、不要な加算は廃止すればよいのではないでしょうか。
それすらしないで、いたずらに加算をいじくりまわすのは、現場にとって百害あって一利なしです。