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寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ
(
東京都 / 経営コンサルタント
)
株式会社アースソリューション 代表取締役
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感染症や災害への対応力強化
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2020-09-20 08:00
こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
昨日に引き続き、9月4日に行われた介護給付費分科会の内容についての投稿です。
前回も触れましたが、今回の新型コロナウイルス感染症で、介護事業所においても多大な影響を受けました。
医療機関や介護事業所において、感染・重度化リスクの高い方を守るべく、必死になって対応されてきています。それを重く受け止め報いるため、このたび介護(医療)慰労金を用意した経緯があります。
今後また、各サービス団体の代表者からのヒアリングを経て、分科会としての方向性がまとまり、厚生労働大臣に提出される見込みです。
これまでにも、こちらのコラムで再三にわたりご紹介してまいりましたが、過去も含めて今後の介護報酬の在り方については下記のようになっております。
・地域包括ケアシステムの推進
・自立支援・重度化防止の推進
・介護人財の確保、介護現場の革新
・制度の安定性・持続性の確保
です。
これは、ずいぶん前から言われている目標であります。
上記に追加して、今回は「感染症や災害への対応力強化」という内容が盛り込まれたのです。
これは、今般の新型コロナウイルス感染症や、近年甚大な被害を受けている台風・大雨・自身等の災害に対して、介護事業所のサービス供給が止まることなく安全に遂行できるよう、国としても介護報酬を見直そうということかと思います。
感染症や災害への備えが必要であるということには、さすがに異論を唱える方はいないでしょう。
しかし、それを介護報酬の増額によって賄っていくとなれば、前回の通り異を唱える方はいるようです。「プラスを求めるのならば、当然マイナスを求めるのも当然ではないか」と。
そういう異論が、問題の解決を難しくしてしまうように思います。
新型コロナウイルス感染は、世界中に多大な影響を及ぼしました。
確かに、介護業界以外の業種については、感染症対策にかかる費用を、国がもれなく面倒を見てくれているわけではありません。補助金や助成金等の活用も可能ですが、一律の対応ではありません。
それを考えると、介護業界だけ感染症防止への対応にかかる費用を報酬で評価することについて、二つ返事で進めていくのも難しいのでしょう。
反対論者さんに私がお伝えしたいのは、介護保険サービスの精神についてです。
介護サービスは「人間の命を預かるサービス」であります。
特に高齢者のほとんどが何らかの疾患を抱えていて、コロナに発症すると重篤化しやすいということで、格別の対応が必要になるのです。
人間、誰でも歳を取ります。
反対論者さんもいずれは歳を取り、介護が必要なときがやってくるかもしれません。
というより、人間は高齢になって、全く誰の力も借りることなく生活して亡くなるというような方は、実際ほとんどいません。
ほとんどの方は、大なり小なり誰かの力を借りて生活していくことになります。
人間として生まれた以上、歳を重ね、いずれ必ず死にます。
介護は、人間であれば必ずついて回るわけで、相互扶助していきましょうということで確立されたわけです。40歳以上のすべての国民に「介護保険料」の納付を義務付け、税金とともに運用を支えているのです。
ですので、貴重な血税と保険料を適正に使っていくのは当たり前で、介護事業所でもこのあたりの自覚が薄いところも多く残念に思います。
介護は、高齢者の命を支える仕事です。
介護事業所でクラスター感染してしまったら、本当に大変なことになります。
ですので、そうならないように、一般企業など比にならない位消毒等を徹底するわけです。
災害対応も同様です。
施設内で地震・火事・大雨等の災害が起こった場合、高齢者は自力で非難することができません。災害でライフラインが止まってしまったら、それは介護サービスの機能不全に直結します。
それは、過去に起こった災害の状況を見れば、一目瞭然でしょう。
ですので、そこは是非踏まえていただいていただきたいですね。
感染症・災害への対策と対応力強化については、超党派で議論していただきたい。