寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「大学改変」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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大学改変

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2020-09-26 08:00

こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。


たまたま、ある雑誌を読んでいて興味を示したことがあります。

それは、日本の大学の現業とあり方についてです。


日本は少子化により子供が減り続けていると言われて久しいです。高齢者は一定時期まで増え続けますが、2050年位には人口自体が減るとも言われ、まさしく今その時代に突入したと言えるでしょう。


日本の大学入試状況はどうでしょうか。

数年前から「大学全入時代」に突入し、選り好みをしなければ理論上、誰でも大学に入れる時代になったと言われています。

それなのに、大学設置数は増え続けている。子供の数は減り続けているのに。


私が大学に入学したのがちょうど30年前。非常に大学入試が大変だった年です。

恥ずかしながら私は2浪もしてしまい、出来がよいとはいい難い人間でしたが(笑)、それでも入試はかなり大変でした。自分が入学した大学で、付属から来た人間等を除きほとんどが浪人生。笑ってしまいますね。


時は経ち30年後、入学者数は激減した。

それにもかかわらず、各大学の定員は増え、新しい大学設置も増え続けている。

今の現状にマッチしているのでしょうか・・・


話によると、「Fランク大学」なるものがあり、都市伝説かもしれませんが自分の名前が書ければ入試合格というところもあるらしい。どこまで本当かわかりませんが、大学も玉石混合しているのでしょう。

やはり伝統ある学校、あるいは魅力ある学校づくりに尽力されている学校は、今も支持されますしこれからも同様でしょう。反面、そうでない大学は生き残っていけなくなるでしょう。


私が読んだ書籍では、近年の大学は国公立大学の運営交付金、私立大学の私学助成金ばかり充てにし、本当に魅力があり競争力を高めようとしている学校はあまり多くないのではないか、と指摘していました。


教育機関は、未来の日本を背負って立つ人材を育成する場でもあります。

その中でも大学は、まさに専門的高等教育を受ける場として、特に力をつけていただかなくてはならない場所です。


もちろん、教育には一定の公費を投入しなければならないものです。

しかし、お金をもらうことばかりを充てにし、学内で本当に魅力ある学校、競争力を高めようする努力が足りないのではないか、というのです。


その書籍の執筆者が、こんなことを書かれていました。


日本は人口減少社会に突入したが、世界的に見ればむしろ増えていると。

人口が増加しているのは、もっぱら発展途上国だが、発展途上国は先進諸国に比べどうしても高等教育機関が少ない。

だから、本気で学びたいと考える学生は、留学をする。そういう学生は本気で学びたいから、実にやる気もあるし優秀。そういうすごい学生が海外に出てきて高等教育を学ぶ、と。


アメリカの留学生数についても言及されていましたが、何と110万人もいるとのこと。

興味があり、日本の留学生数を私は調べてみましたが、30万人を少し上回る程度と。アメリカはスケールが違いすぎます。


先ほど述べた途上国に住む優秀な留学生の多くは、やはりアメリカへ留学されるのでしょうね。


さらに驚いたのが、その留学生がアメリカに持ち込むお金が、約5兆円超という事実です。

日本の輸出産業で、5兆円を超える産業がどれくらいあるか。恐らく片手位ではないでしょうか。


それだけではありません。

5兆円ものお金がアメリカに持ち込まれるということは、それ相応の有効需要を生み出すだけでなく、その若者たちがベンチャーを立ち上げる。ということは、5兆円を遥かに超える付加価値を創出する、ということです。


コロナで日本中の学校が休校になっていたとき、授業の遅れを取り戻す観点から、「9月始業」案が浮上しました。

結局時期尚早(とは言い切れないとは思いますが)ということで頓挫しましたが、9月始業の最大のメリットの一つとして「海外留学生を集めやすい」という点が指摘されていました。


その時はあまり実感がなかったのですが、この書籍を読んで腑に落ちた気がします。


大学はまさに、国の成長戦略の柱、要だということです。


日本が今後、世界にも負けない競争力を培うには、やはり大学の在り方を見直し改革していかないとダメだ、という話を聞き、非常に驚かされました。


私が学生の頃、入試は確かに大変でしたが、入ってからというもの正直言って授業は悲惨なものでした。

面白いと思える授業、4年間で数える程度しかなかったのではないでしょうか。自分は学生時代にそれなりに勉強はしてきたつもりで、資格もそれなりに取得してきました。今も中小企業診断士の勉強をしたりして、そういう意味では勉強の大切さは学んだつもりです。


大学の授業は悲惨でしたが、大学で一生ものの友人を作ることができ、今の自分の基礎を創ってくれた場ではありました。しかし、もう少しまともな授業をしてほしかったな、という思いもあります。


翻って、今の学生さんは非常にまじめで優秀だと思います。

私なんかよりも遥かに大学で勉強されている。素晴らしいです。


まだコロナの影響を受け、まともにキャンパスに通えていない学生さんも多いのではないでしょうか。

オンライン授業ばかりで確かに便利ですが、友人も作れずバイトもままならない学生さんは、本当にかわいそうです。


人間形成する上で、高等教育を受けるのは有意義だと考えます。

しかし、何らか目的をもって進学しないと、あまり意味がないようにも思えます。


そういう意味で、学ぶ側の意識も高める必要があるのは当然として、学校側も胡坐をかくことなく、魅力ある学校づくりに是非励んでいただきたい。

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