寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ便利すぎる世の中
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
9月3日の日本経済新聞1面に、コンビニ営業に関する記事が掲載されていました。
「24時間営業をFC本部がフランチャイジーに強要するのは独禁法違反」という内容です。
記事の受け売りで大変申し訳ありませんが、独禁法違反に該当する恐れがある内容として、下記を挙げています。
・24時間営業をやめたい加盟店との協議を拒む
・近隣に出店しない約束に反して出店し、加盟店の支援もしない
・売れ残り品の値引き販売を一方的に制限する
・意に反した商品や必要以上の数量の仕入れを加盟店に強いる
・加盟契約時に売上予想や収益の説明が不十分
といったことです。
以前からこの問題は、大きな社会問題になっておりました。
売れ残りの弁当の処分も自由にできない。スーパーでは普通に行われている「賞味期限切れ直前の値引き販売」もルール上できず、最終的には売れ残りリスクは加盟店が負担する。廃棄物が増えるし、食品衛生上もよくない、ましてや食べ物を粗末にするようなやり方はどうなのか・・・
この内容だけを見て語ってはいけないのかもしれませんが、表面だけ見ればひどいですね。
加盟店は独立した事業主なのに、これでは自由もなければ何もない。すべてフランチャイザーのいいなりです。これは厳しいですね。
双方の契約に基づくことではありますし、ここはビジネスモデルの妥当性について語る場でもそうするつもりもないのですが、いずれにしても大転換が求められます。
コンビニは私もよく利用しますし大好きです。もはや、国民生活になくてはならない存在です。サービスも多機能になってきていますし、惣菜や弁当も結構おいしい。本当に便利です。コロナ禍で、その便利さはますます力を増しているように思います。
しかし、あまりに便利すぎて、FC本部は仕組みを作る側ですから収益が上がるでしょうが、加盟店は多機能になると覚えることも多い。負担が増えます。
最近はコロナ禍による失業等で、コンビニの人員不足も少し緩和されているように聞きます。
しかし、それでも慢性的人員不足の抜本的な解消には至っていません。
フランチャイザーとフランチャイジーの力関係に、あまりに差がありすぎます。
日経の1面に取り上げられたことが、問題の根深さを物語っております。
もう、便利さを極限まで追求するのはなかなか難しい。
相当昔、世の中の商店は20時か21時には閉店し、日曜は休みというのが主流でした。百貨店や大型スーパーでは、年始2日間は閉店で3日に初売り、というのが一般的でした。
24時間営業というのは非常に画期的で、このモデルによりFC本部会社は収益を上げ続け、加盟店も増え、相応に利益を享受していました。
しかし、便利さを追求しすぎるとどこかに負荷がかかります。
加盟店のオーナーさんが全く休めない。こんなの異常です。
少しそれましたが、昔は20時や21時位にはお店は閉店していたのです。
もう、24時間営業を過度に進める時代は、終わりを告げようとしています。
ファミリーレストランも、大手では24位間営業を取りやめています。
もう、上記のようなビジネスモデルは通用しなくなる。転換期を迎えています。
JR東日本でも、首都圏在来線の終電時間を見直し、時間を繰り上げる方針であるとのこと。一部の電車では始発時間も遅くするそう。
少し前までは、終電をもっと遅くするべきだと私も考えていましたが、コロナ禍で発想が逆転しました。
人が夜にあまり出歩かなくなりましたので、終電をむしろ早めて無駄な残業を減らすべきです。
そうすることで、JR職員の労働環境改善にもなりますし、安全点検作業により時間を振り向けることができます。
JRも緊急事態宣言等の影響で売上を大きく落としていますので、収益改善のためにはまずコストの削減から、ということでしょう。
便利さの過度な追求の呪縛から、脱却するときがきたようです。