寺崎 芳紀(経営コンサルタント)- コラム「介護における最近の転職事情」 - 専門家プロファイル

寺崎 芳紀
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寺崎 芳紀

テラザキ ヨシノリ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
株式会社アースソリューション 代表取締役
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介護における最近の転職事情

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2020-09-02 08:00

こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。


新型コロナウイルス感染が止まらない中、企業も大変苦しんでいます。

企業の中には、残念ながら倒産してしまった会社や、倒産は免れてもリストラをせざるを得なくなった会社もあります。


つい最近まで、労働市場は「超売り手市場」と呼ばれていたのに、今や逆転しつつあります。

このままいくと(すでにそうなっているかもしれませんが)、日本経済は戦後最大の不景気に突入しそうです。


在宅勤務やテレワークも進み、業務がよい意味で合理化・効率化され、今後会社に人材をそれほど必要とされない状況になると思います。

そうなれば、リストラをしたり、採用抑制に走ったりするのでしょう。


慢性的な人手不足である介護業界。

前にもこのコラムで書きましたが、介護業界は世の中が不景気になると、他業界から仕事を求めて介護業界にやってくる傾向にあります。実際、ある人材派遣・紹介会社の社長さんに話を聞くと、最近では介護関連の求職者登録が相当数増えているのだとか。


介護の労働市場は、世間の景気に反比例して盛り上がるということですね。


慢性的な人材不足である介護業界、こういうときこそ人材獲得のチャンスなので、どんどん採用すべき!と言いたいところですが・・・


確かに、人材獲得のチャンスではあります。ですので、このチャンスは大いに活用すべきであります。

しかし、これは私見も入ってしまいますが、こういう時期に介護業界にやってくる人材には、介護業界に進出することへの覚悟に欠ける方も、少なからずいるのです。


コロナ禍で、あるいはリーマンショックのときもそうですが、例えばリストラされた方(特に40代以上の方)が、ハローワークや人材紹介会社の勧めもあって介護事業所への面接に来ることがあります。


きっかけはいろいろあってよいと思います。

極論を言えば、「会社にリストラされて、転職に困っていたところで『介護なら人手不足だからチャンスだろう』ということで面接に来た」という理由でもよいのです。ご家庭を持ち、住宅ローンも抱えている方であれば、収入が途絶えてしまうわけにはいかない。ですので選り好みせずにチャンスのある業界に転職するという考え方、全くもってアリだと思います。


しかし、あまりにも安易に考えすぎるのは危険です。

「介護なら人手不足だから採用されるだろう」とナメてかかって面接に来る方、正直言って採用されても長続きしません。すぐに辞めてしまいがちです。


また近年では、給与等の交渉を人材紹介会社等のエージェントが代行するサービスもあるようです。


私個人としては、人材紹介会社の活用は大いにすべきですが、条件交渉は自分ですべきだと思いますし、知人に就職の世話をしてもらいたくもありません。


しかし、時代は変化し多用しています。

特に、介護業界ではまだまだブラックな企業も存在します。ですので、不利な条件で契約することがないように交渉してくれる存在も、今は必要とされているということですね。


少し話がそれましたが、今回のコロナ禍で、もしかしたら慢性的な人材不足に少しは風穴を開けてくれる形になるかもしれません。


しかしそのために、介護事業者に必要なこと。

それは、人材教育とメンタル対策です。


人材を育てる仕組みがない事業者、ましてや人材を育てようという土壌がない事業者に、明日はないと思います。


また、社員を大切にしない会社も同様です。

このコロナ禍で、医療機関や介護事業所は感染のリスクにさらされながらも水際で頑張っていらっしゃいます。常に感染リスクと背中合わせです。


そういう業界であることを承知の上で面接に来る方は、きっと気持ちに迷いのない方なのかもしれません。


これはただでさえ難しい話ではありますが、それでも一定のミスマッチは存在します。


お互いの幸せのためにも、ご縁がなければ少しでも早く見切りをつけるべきです。

簡単に辞めてしまうのはよくないですけど、特に介護業過の場合「自分に全く向いていない」仕事に無理やりしがみつくのもいかがなものかと思います。例えば排泄介助や入浴介助は、その業界の経験がない方にとってはつらい部分もあります。これはきれいごとではなく、いわゆる「シモの世話はどうしても無理」という方は存在します。それを私は否定することはできません。


しかし、全くの畑違いであった方でも、大変立派にご活躍されている方もたくさんいらっしゃいます。

かくいう私も、もともとは銀行員や流通業にいたサラリーマンでしたから。


まとめますと、


①コロナ禍で、介護業界の労働市場はプラスに転じる可能性が高い

②しかし、一定のミスマッチは存在する

③景気不景気などに関係なく、「人を育てる」「社員を大事にする」という土壌がなければ、生き残っていけない


ということは言えるのではないかと、私は考えるのであります。



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