寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリドーナツ窒息死事件 無罪確定
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
長野県の特別養護老人ホームで起きた「准看護師ドーナツ窒息死事件」について、第2審で逆転無罪になりましたが、検察が上告を断念し、被告人の無罪が確定したとのこと。
先日もこのコラムで取り上げましたが、まずは改めてお亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。
そして、無罪となった准看護師さん、無念が晴れてよかったと思います。
今回の事件で、施設内で起こった死亡事故について、従業者個人が起訴されて裁判になったことについて、本当に論議を呼びました。
現場経験のある身としては、故意や重過失があったわけでもないのに、個人に対して「刑事責任」が問われたことに、ものすごく違和感を感じました。
日本の起訴有罪率は99%以上とのこと。裏を返せば、検察は裏付け捜査をした上で、確実に有罪となる案件を起訴する、ということですね。
しかし、今回は介護現場における事件。1審では罰金20万円の刑が言い渡されました。
量刑の重い、軽いで評価すべきではないかもしれませんが、今回何が何でもこの准看護師さんを罪に問う必要があったのでしょうか。
今回無罪にはなりましたが、この准看護師さんは心に大きな傷を負ったはずです。
その傷は、再び元通りになるでしょうか。相当時間がかかるでしょうし、一生その傷は癒えることはないかもしれません。
これが本当に罪になり、それが確定してしまった場合、危うく日本中の介護職員を不安にさせ、ひいては介護業界の未来を一層暗いものとなってしまうところでした。
上告を断念したということは、今回起訴したことは妥当ではなかったということだと思います。
今回、准看護師個人を刑事責任に問うたのは、明らかに間違いだった。
しかし、施設の現場において、1人の入居者様がご逝去された。それは事実であり、見過ごすことはできません。
施設内の管理については、再考が必要かもしれません。
巷では、虐待で介護職員が逮捕されるというような事件もあり、許されることではありません。
しかし、そういう一般の方々受けするような(ゴシップではないが敢えて「ゴシップ」とここでは言います)事件だけでなく、施設介護の窮状についても、マスコミはもっと取り上げるべきではないでしょうか。