寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリエビデンス
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
「エビデンス」という言葉が、最近よく聞かれますね。
エビデンスは「証拠」「根拠」という意味ですが、仕事等で何か要望や意見を言った際に、その主張の根拠になるものを提示せよということで、「エビデンス」という言葉がよく聞かれます。
確かに、エビデンスがない主張は、どことなく感情的な物言いに聞こえてしまう傾向があります。
主張するなら、根拠を示せ!と。当然理解できます。
先日行われた介護給付費分科会、私はちょうど時間があったのでオンラインによるLIVE中継を観ていました。
その時に、とある業界団体の会長さんが、出席委員に対して様々な要望をおっしゃっていました。
その要望は、どれもこれもその通りでして、早急に何とかしなければならないことばかり。
現場を知る人間としては、心の底から何とかしなければならないと感じました。
その後の質疑応答の中で、ある出席議員より以下のような言葉がありました。
「おっしゃりたいことはよくわかる。本当に大変な状況だ。しかし、具体的なエビデンスを示してもらわなくては困る」と。
業界団体の会長さんが、現場を代表して切実たる想いを訴えた。
確かに、熱っぽくなるあまりに少々感情的にも聞こえてしまう。
かたや、来年度の報酬改定行方を占う重要な審議会。
審議事項は、ほぼそのままの形で「厚生労働大臣による諮問」→「審議会が答申」→「決定」となる。
もちろん、委員一人ひとりの独断で決まるものではないし、もちろん分科会長の鶴のひと声で決まるものでもない。これは合議制です。
しかし、この審議会での決定事項が、来年度の報酬改定の全容となる。いわば、彼ら彼女らは、介護業界の行く末を決めるメンバーなのであります。
業界団体の要望は、とても貴重です。どんどん現状を委員に突きつけ、要望をし、委員に徹底的に考えさせるべきです。
でも単に「私たちは大変なのだ」「このままでは崩壊だ」と言っても、国としても無い袖も触れない。なので、要望を出すならばエビデンスを提示せよという委員の主張も、理解できます。
業界自体が成熟しているのか、そうでないかによっても、違うのかもしれません。
例えば歴史の古い看護やリハビリは、数値的エビデンスが提示される。特にリハビリ業界はアプローチや成果に対して基本的には数値的・科学的根拠に基づいて行っていきますから、ごく自然なことなのですね。
私は、業界団体に対して「エビデンスを提示せよ」と発言した委員を、上から目線とか傲慢だとか言うつもりはありません。やはり、出席する業界団体と政府側とは利害関係にもあるわけですから、自身の希望を主張するならばエビデンスは必要だと思います。
あとは、委員には(もちろん官僚も)もっともっともっと現場を見てほしい。
本当に頑張っていらっしゃる現場の方々の仕事ぶりを、是非その目で見てほしい。
結果的には、双方向的な関係を構築できていないところが、一番重要な問題だと思うのです。
今回、分科会の模様をLIVEで観たことに対する、率直な感想の一つでした。