寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリご利用者様への説明(介護サービスの概算料金)
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
以前、あるケアマネさんから、下記のような相談がありました。
「居宅療養管理指導の料金がわからないので、利用者に説明できません。居宅療養管理指導はそもそも訪問診療や訪問薬局に関するものですが、区分支給限度基準額の範囲外ですので、実績にも反映されませんよね。でも、私たちには訪問診療の費用など知りえないし、居宅療養管理指導にどれ位費用がかかるのかも知ることができないんです。どうしたらよいでしょうか?」
と、こんな感じの質問でした。
この質問に対する私の感想の前に、「居宅療養管理指導」がどういうものかについてお示しすると・・・
居宅療養管理指導は、医師や看護師、薬剤師等が利用者様の居宅訪問し、健康管理や指導をすること。いわゆる「訪問診療」「訪問薬局」サービスです。
基本は医療保険サービスなのですが、介護保険での算定も認められています。訪問診療サービスの場合、単一建物居住者数によって若干負担が異なりますが、定期的に訪問診療を行う場合は概ね月に600円程度(月2回訪問する場合の1割負担分)かかります。これにプラスして、医療保険での負担が一般在宅の患者様で月6千円程度(1割負担の場合)かかります。有料老人ホーム等に入居されている方ですと、負担は安くなります。
話を元に戻し、私はこのケアマネさんからの質問を聞いていて、「この人はケアマネに向いていないんではないか」と正直思ってしまったのです。
そう思ってしまう理由はいくつもあります。
まず、「料金について知りえない」とこの方はおっしゃいましたが、そんなことはありません。
すべて、国が定めた報酬ですので、「単位数表」に書いてあります。
ほぼ間違いなく何らかの介護ソフトを使ってプランをつくり、実績集計をし、給付管理や請求をされているはずですので、項目を入力すれば単位数や自己負担金もすべて出ます。
次に、「区分支給限度基準額の対象外だから、ケアマネが関知する話ではない」という考えが、実にとんでもない。
確かに、区分支給限度基準額の対象外であるのはその通りです。対象外であれば、給付管理の必要もありません。
しかし、それは請求上の話であって、そのご利用者様のケアプランを作成する上では、当然に居宅療養管理指導については内容を盛り込まなくてはなりません。それも含めて「ケアプラン」ですから。
ですので、「知らない」では済まされない。
「知りえない」と言いますが、それは違います。そんなものは少し調べればわかります。
もちろん、すべての情報を頭に入れることは必要ありませんし、不可能です。
しかし、調べればわかることをそうせずに、「教わっていないからできない」「知りえない」と割り切ってしまうことに、私は疑問を抱いたのです。
ご利用者様は、本当にケアマネさんのことを頼りにしています。
大変な仕事であることは当然理解していますが、この程度の情報収集は全く負担になりません。もし負担だとというなら、それは怠慢です。
主体的に学ぶ姿勢に欠けていたり、他力本願的な仕事をしたりする人は、正直言ってケアマネには向きません。
私は申し訳ないと思いながらも、このケアマネさんの主体性のなさに、少々イライラしがっかりしてしまいました。
こういう姿勢では、良い仕事はできないと思います。
ケアマネの処遇は、確かに実情に見合わない部分があります。しかし、待遇改善と並行して、こういう主体性のないケアマネさんには再考を促し、もっと努力をせよと言いたいところです。