寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ介護従業者のメンタル対策
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
以前から、介護従事者の虐待案件が止まらないという話をしております。
もちろん、虐待をすることを正当化するつもりなど、さらさらありません。
ただ、その背景というものについては、知る必要があると思います。
仕事をするというのは、とても大変です。
それは業種を問わず、どんな仕事であってもお金を稼ぐというのは大変なことで、また尊いことであります。遊びではありませんから、結果に責任が伴いますし、楽しいことばかりではないでしょう。うまくいかないことや、腹が立つこともあります。
ちょっと嫌なことがあった位で、簡単に投げ出すわけにもいかない。
それは皆同じ。私も同様です。
介護の仕事が特別だとは言えませんし、大変なこともあるのは当たり前です。
ただ、介護業界は本当に人手不足なのです。
すべてのサービスには人員基準というものがあり、それに従わなければ運営自体できません。
しかも、この人員基準はあくまで最低レベルであり、実際は基準ギリギリの配置では現場が回っていかないことが多いのが実情です。
そういう状況下で、いろいろなご病気(認知症その他疾患)やキャラクターがあり、年齢層も幅広い(若い方は50代位から、100歳を超える方まで様々。40代で介護サービスを受けている方もいます)方々を介護するというのは、本当に大変なことです。
虐待は介護施設で起こることが多いのですが、閉鎖的な環境下で、スタッフの思い通りにならない等いろいろな要素が重なり、暴行してしまうようなケースもあると思います。
先ほども申し上げましたが、虐待は絶対にあってはなりません。ゼロにしなければなりません。
しかしその背景に、虐待が発生してしまう原因の一つに、介護業界で恒常的となっている過酷な労働環境も一理あることも、考えていかなくてはならないのではないでしょうか。
介護業界では、精神疾患による労災案件は非常に多いと聞きます。
介護事業者は、介護従業者へのメンタル対策について、真剣に向き合わなくてはなりません。
これは「福利厚生」ではありません。それよりももっと重い責務です。法令を遵守し、適正な運営をすることと同列に位置付けてよい位重要なことであります。
「忙しくて時間がない」というお気持ちはわかります。
しかし、今後スタッフへのメンタルチェックはじめ、心理的な安心感を提供できるような事業所にしていかないと、ますます人員不足が止まらなくなるでしょう。
今こそ、パラダイムシフトが必要です。