寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ高齢者虐待の現状について
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
介護サービス事業所(特に介護施設)において、高齢者への虐待ケースが減りません。
高齢者への虐待がダメであることは至極当然です。絶対にあってはなりません。
数年前から、各自治体でも虐待防止にかなり真剣に取り組んでおり、虐待が行われていることが確認された場合は指定取り消し処分をするケースもあります。
虐待はそれ自体が罪であり、許されるものではないため、取り消し処分にされてもやむを得ないと思います。
虐待が行われる要因としてはいくつかありますが、個人レベルなのか組織ぐるみか、この差は大きいです。
虐待ケースが特定の個人によって行われたのではなく、組織ぐるみは最悪です。
「組織ぐるみ」とは、法人が関与していないが虐待が複数人によって行われたケースも同義だと私は解釈します。
もちろん、特定の個人のケースも問題です。管理は組織が行うわけで、その発生を止められなかったことに対して組織の責任は免れません。
しかし近年、組織ぐるみ的な虐待が止まらないのです。
明るみに出る大多数が、行政への内部告発かと思います。
明らかにおかしいことを「おかしい」と、周囲の方が声を上げることができない。声を上げられないから辞めていく。組織も黙認しているのか、対処できないのか、問題に真剣に着手しようとしない。
内部告発はどんどんすべきだと思います。やはり、声を上げていかなくては虐待(不正行為全体)は減っていきません。
それから、介護現場で働く方は、相当のストレスを抱えています。私もそうでした。
それでも、大多数の方は虐待などしないわけですが、ストレス過多も原因の一つではないでしょうか。
正直言って、介護事業所でスタッフのストレスチェックやメンタル面での対策を講じているところは少ないのが現状です。人員不足も当然ながら作用します。
虐待が発生した際の対処療法ももちろん必要ですが、虐待を起こさせない取り組みがそれ以上に必要です。
集団指導でも、虐待に関する指導はかなり時間をかけて行い、専門家を呼んで研修的なことも行っています。それは大変よいことなのですが、専門家による講話を開催することだけが目的ではなく、それを運用させて虐待をゼロにすることが目的です。
虐待は残念ながら、事故と同じように完全「ゼロ」にはなりません。これは物理的な意味においての話です。
しかし、ゼロに限りなく近づけなくてはなりません。そのためには、根本的な問題である「人の問題(人材不足、メンタル面の対応等)」を早急に解決しなければなりません。