寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ今後の介護保険を取り巻く状況について⑧
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
今回は、「今後の介護保険を取り巻く状況について」の8回目のコラムになります。
今後、ますます高齢者は増え続けます。これは間違いありません。実際そうですから。
介護保険制度も、それを十分に見越した上で制度設計をしているはずでした。
しかし、高齢化の進行と介護給付費の増大が予想を遥かに超え、大幅な軌道修正を余儀なくされました。
厚生労働省も、これに対して明確な答えを持ってはいないでしょう。これまで経験したことがないほどの高齢化が進むわけですので・・・
人口が今後減少していくことも、高齢化の話とともに以前から書かせていただいております。
いわゆる現役世代(生産年齢人口。15歳~64歳まで)の人口が、高齢者の増大と反比例して減っていきます。2000年には約8638万人だったのが、2040年では5978万人(推計)にまで減ると。
40年で3千万人近く減るということです。
65歳以上の高齢者が生産年齢人口を上回るという数字には、驚きを隠せません。
子どもの数も減る一方。人口減を食い止める目安として、合計特殊出生率が最低でも2.0を上回る必要があると言われる中、今年出された日本の合計特殊出生率2019年)は1.36だそうです。人口減少はもう抑えることは困難ですね。
今後は、高齢者の急増よりも、現役世代の急減局面が深刻化されます。
これは、介護保険制度の持続可能性の確保という話も大事ですが、そういう狭い領域の話ではないということです。
日本は、子育てをする環境としては正直いかがなものかと思います。
私は、結婚して家族を持てて本当によかったと心から思います。
子育ても楽ではありませんが楽しいですし、何より子どもはかわいくて仕方がありません。将来的な不安がないわけではありませんが、頑張ればなんとかなると思っていますし、何とかしなくてはなりません。それが責任というものだと思うのです。しかし、それも重荷ではありません。
しかしながら、「結婚することにメリットがない」「子どもを持つことはリスクでしかない」という方も多いと聞きます。
仕事に邁進しキャリアアップを目指すする女性は増えていますが、それは大変すばらしいこと。
しかし、結婚や子育てはそのキャリアに傷がつく、という人がいるのです。
そういう方を非難しているのではなく、なぜそう思わざるを得ないのでしょう。
それは、パートナー(多くの場合夫)の協力関係が十分でないことや、核家族化といった家庭構造の問題、住居等の問題、いろいろ理由はあると思います。
現役世代の急減は、もはや日本の構造上の問題というほかにありません。