寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ今後の介護保険を取り巻く状況について⑦
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
今回は、「今後の介護保険と取り巻く現状について」の7回目となります。
さて、このテーマで過去に触れてきたことを、簡単におさらいしてみましょう。
・日本は人口減少社会に突入し、高齢者はさらに増える一方である。
・今後、都市部の高齢化率増加が著しくなる。
・75歳以上高齢者が人口の4分の1を占める時代がやってくる。
・85歳以上高齢者が1千万人を超えてくる。
・高齢単独世帯・高齢の夫婦のみ世帯の増加が止まらない
・認知症高齢者700万人時代。
・高齢になるにつれ要介護率は高まり、75歳以上では3割以上に達する。高齢者は増え続けるわけなので、要介護高齢者の絶対数も当然ながら激増する。
ということです。
日本は高齢者が今後もますます増え続けるということはご理解いただけたとして、では介護状態になるとどれくらいの費用が掛かるのかについて見ていきましょう。
当たり前のことですが、要介護高齢者が増えてくれば、また要介護度が上がっていけば、介護サービス費用は増大します。介護保険に限らず、当然医療費も増えていきますし(今後触れてまいります)、生活関連(例えばバスのシルバーパス、おむつ支給、タクシー移送等)も増えます。通常であれば自己負担になるわけですが、高齢になれば税金負担を要しますので、やはり高齢になるとお金がかかるということになります。
介護給付費分科会の資料には、年齢階層別に1名あたりの介護給付費(介護保険サービスの自己負担以外の部分)が出ています。
65歳から69歳までですと年3.3万円程度なのが、75歳以上になると約14万円にまで跳ね上がり、85歳以上では約71万円になるとのこと。
このデータは、特養の補足給付(部屋代と食費の公費負担分)も按分されているので、在宅生活している方であればもう少し安くなるのでしょうが、ここではやはり年齢が上がるにつれ介護給付費も増えていくということが示されています。
前述の通り、人口は減っていくのに高齢者は増え続けるのですから、トータルでの社会保障費が膨大になるのは、ごく自然なことなのです。
そうなってくると、その負担は誰がしていくことになるのでしょうか?
この続きは、次回に持ち越しいたします。
これは仕方がないことです。人間誰しも年を取り、誰かの支援が必要になるわけですから、避けられません。