寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ今後の介護保険を取り巻く状況について⑥
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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
「今後の介護保険を取り巻く状況について」という題目で、もう5回も執筆させていただきました。
今回で6回目。結構続きますね(笑)
非常に重要なことだと思いましたので、皆様に問題提起ができればと思って書かせていただいております。
今回は、年齢別の要介護認定率についてです。
介護サービスは、原則として第一号被保険者(65歳以上の方)で要介護・要支援認定を受けた方が利用できる仕組みになっております。例外として、第二号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者で、特定疾病の認定を受けた方)も、サービスが受けられます。
ここでは、第一号被保険者に絞ってお話いたします。
65歳以上全体の要介護認定率は、2019年9月末の「介護保険事業者状況報告」によると18.6%とのこと。
65歳以上でくくると、いわゆる元気高齢者の方が圧倒的に多いようです。
しかし、これが75歳以上の高齢者まで見ていくと、一気に32.1%までに跳ね上がります。
さらに85歳以上となると、認定率が60%を超えるのです。
当然のことではありますが、要介護認定率は年齢とともに上昇します。そして、85歳以上になるとその割合が跳ね上がるということです。
前のコラムで、2040年には85歳以上の高齢者が1千万人を超えるという推計が出ているとお伝えいたしました。
そうなりますと、統計上は600万人が85歳以上の要介護高齢者となる、ということなのです。
6月1日の介護給付費分科会資料には、平成30年度の要介護(要支援)高齢者が約644万人いると記載されていました。
しかしこれは、日本全体の要介護者の人数であります。
当然ながら、高齢者はさらに急増するわけで、2040年になると要介護高齢者は平成30年のデータの比ではなくなる、というわけであります。
考えただけでも末恐ろしいです。
社会保障費を抑えなくては、介護保険も医療保険も、ひいては年金も、制度が持続できなくなるというのも、納得せざるを得ません。
次回は、どれくらい介護にお金が使われているかについてお話したいと思います。