寺崎 芳紀
テラザキ ヨシノリ今後の介護保険を取り巻く状況について③
-
こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
今回は、「介護保険を取り巻く状況について」の第3回目のコラムです。
超高齢化に伴い、高齢者がものすごい勢いで増えてきていることについては、本コラムでも再三にわたり書いております。
それも大変深刻なのですが、特に深刻なのが「高齢の単身世帯」及び「高齢の夫婦世帯」の急増です。
データによると、2040年には65歳以上の単独世帯が約896万世帯、同夫婦のみ世帯が687万世帯になる、と。
私の母は2011年に亡くなりましたが、2004年に父が亡くなってから7年間、独居生活をしておりました。
最初の2年位は元気で、私を含めた家族も定期的に顔を出したりしていましたが、ある日犬の散歩中に転倒して大腿骨骨折をして以来、要介護状態になってしまいました。
それでも何とか独居生活をしていましたが、介護状態は進行し、最終的には要介護5にまで進行。1日3回ヘルパーさんに入っていただく日々でした。
当時独身だった私は都内で一人暮らししておりましたが、それを見かねて同居することを提案しました。
しかし母は頑なに拒否。どんなに説得しても一切耳を傾けませんでした。
その後私も結婚し、そうこうしているうちに母の状態は低下する一方で、ギリギリまで自宅で過ごしましたが最後は療養型病院で亡くなりました。
母が亡くなってから、私は「あの時もっと強引に同居を提案すべきであった」と後悔する日々を、しばらく過ごしていました。しかし、母は自分の子供に迷惑をかけたくない一心で、頑なに同居を拒否していたのかとも考え、複雑な思いをしたのを思い出します。
家族が行き来出来る環境にある方であれば、まだよいと思います。
しかし、そうでない方もたくさんいらっしゃいます。いろいろな事情で両親と同居できないという方もいて、それは仕方がないことだと思います。
とはいえ、今後独居高齢者は確実に増えます。そして、高齢の夫婦のみ世帯も、確実に増え続けます。
日本人の生活スタイルが昔に比べて一変し、親と同居することが困難な状況の中で、いかにして独居・夫婦のみの高齢者が暮らしていけるか・・・
自宅で生活を継続するのが、確かに一番です。
しかし、生活スタイルは、多様であってよい。
老人ホーム等へ入居するという選択も、私はあってよいと思うのです。
そのためには、経済的弱者を救済しないといけない。でないと、老人ホームには入れませんから。
来年の介護保険法改正には、そのあたりについての方針も盛り込まれているようですが、国も本格的に動かないと取り返しのつかないことになりかねません。