
岩松 祥典
イワマツ ヨシノリ中途採用時の注意点(転職回数が多いケース)
法人・ビジネス 人材採用 2012/01/04 10:47中小企業の採用を担当しております。中途採用時の注意点について、特に転職回数が多い人を採用するケースにおいて、注意すべきことをご教示ください。
scottieさん ( 愛知県 / 男性 / 31歳 )
陥りがちな落とし穴
中途採用者に期待することは、早々に戦力として活躍してくれることだと思います。
ところが、この想いが強いからこそ、『陥りがちな落とし穴』があります。
◆応募者の経験年数・内容・資格ばかり(=スペック)を重視しすぎる
スペックは大事ですが、それ以上に、自社が大切にしている価値観や文化、社風に馴染めるのか(=タイプ)が重要です。
特に中小企業では、スペックよりもタイプのほうが大切なことも多いと思います。
経営層の考えに合うのか、既存社員と上手くやっていけるのか。
タイプが合わなければ、いくらハイスペックな人材でも、自社で活躍できる可能性が難しくなります。
スペックに目が行きがちな中途採用だからこそ、つねに意識したい観点です。
◆事実を聞き出さずに、勝手に都合良く解釈してしまう
ある程度の年齢の応募者であれば、それなりに自分の経験談は語れますし、多少の誇張を交えて話してくることも多いでしょう。
このときに、理解した気になるのではなく、事実を拾い上げることに注力することです。
マネジメント経験を聞きたいのであれば、部下の構成(職種・年齢・性別・経験)、日常での指示系統、机の配置、業務判断の基準、部下に言い続けた言葉などなど。
応募者の語る内容で、“風景が浮かぶ”ほどにファクト・ファインドできるかどうかです。
そうすることで、ちょっとした嘘や誇張表現に気付けることは間々あります。
◆面接官が忙しくて、面接での事前準備および想定を怠ってしまう
本来であれば、過去の勤務先企業についてウェブサイト等から事前に調べておく、職務経歴書をじっくりと読みこんでおくことが大切です。
企業情報を把握したり、職務経歴書を読み込んでおくことで、ある程度の退職理由は想定できます。
例えば、「オーナー会社で、ある程度の役職についていた」のであれば、経営層への不満や意見の不一致があるかもしれません。「辞める半年前に部署異動している」のであれば、仕事内容もしくは上司への不満があったのかもしれません。
一身上の都合・家庭の事情・会社都合の言葉だけで片づけられない“本音の退職理由”をイメージしておくことが肝要です。
なお、ご質問の「転職回数の多さ」についても、上記のような想定をしたうえで面接に臨むことが望ましいと考えます。
補足
あくまで基礎編で記載しましたので、ご容赦ください。
中小企業での採用担当業務は、兼務のため多忙であったり、コスト制約が厳しかったり、応募者レベルが一定していなかったりと、課題も多いと思います。
是非、色々な方々の経験・知見を参考にして、がんばってください。