中村 はるみ
ナカムラ ハルミグループ
相続でしてはいけない3つの行動
-
■ ケース2 突然の連絡「あなたに相続の権利がある」“してはいけない3つの行動”
私は夫と二人暮らしの亜希子60歳です。子供も自立したので、年2回ほど海外旅行など悠々自適な生活を横浜でしておりました。
ある日見知らぬ男性から手紙が届きました。その手紙には「あなたに相続の権利があります」と書いてあり、実母の戸籍の写しと司法書士からの書類などが同封されていました。
差出人は私の妹の夫、昭氏という方からでした。
手紙の内容は、実母が私の父と離婚した後、博多で再婚。女の子を2人もうけ夫は死去。実母の家を長女が建て直し同居。介護をしていたが、昨年の10月に死亡。葬儀後、相続のために実母の除籍謄本の確認をしたら、私という子どもの存在を初めて知った。
横浜の私に連絡をとるために、東京で暮らしている二女の夫である昭氏が説明することとなり、連絡をくださいとのことでした。
● 相続でしてはいけない3つの行動
情報を信じる。すぐに感情のまま行動する。すぐに署名捺印をする
私は心を落ち着かせるために、2、3日置いて連絡を取りました。
・昭氏との電話でのやり取りは下です。
昭氏「初めまして~自己紹介~。亜希子様は現金約400万強の現金を相続できます」
亜希子「その財産は実母の再婚相手が築いたものですから、私は放棄します」
昭氏「それができないのです。お母様が無くなってから3ヵ月以上過ぎていますので、」
亜希子「……一応お話を伺います。」
私は下記の3点をメールに書き、面会する日程を決めました。
1. 実母がいることは中学校のときに知った
2. 実母に会う機会はあったが、実母の新たな家庭を壊したくないと断った
3. 実母が幸せな最後で安堵した
待ち合わせ場所は横浜の関内。詐欺の可能性も考えて昭氏の会社情報などをネットで調べました。調べた結果、詐欺ではないようでした。
私が小学二年生の時に父は再婚しました。
継母の実子である弟との差別、継母に母を求めても得られない愛情、いつの間にか継母の人生を第三者目線で観て育ちました。それは、継母の人生を私が生きたようなものでした。
様々な感情が走馬灯のように生々しくよみがえりました。それらの感情を夫に吐きだしました。
今回の相続は良く調べ自分のこれからのために考えてから、署名捺印しようと決めました。
*-*
夫婦円満コンサルタント中村はるみです。
今回の亜希子さんの対応の良かった点は3つです。
1】情報を疑ったこと⇒情報を鵜呑みにしないで昭氏の会社情報などをネットで調べた事。
2】すぐに感情のまま行動しなかったこと⇒すぐに昭氏に連絡しないで自分自身の気持ちを観た事
過去の感情を夫に感情を吐き出し気を落ち着けた事。専門家にも感情を話した事。
3】すぐに署名捺印をしなかったこと
相続できる、お金が入ると舞い上がると、状況を把握できず、後々後悔することもあります。
・相続でスグしてはいけない行動とは、次の3点です。
すぐ情報を信じる。すぐに感情のまま行動する。すぐに署名捺印をする。
相続のとき、ぜひ気持ちを落ちつけて、今後のことを考えてください。
「冠婚葬祭偏:お葬式・相続」のコラム
継子と継親が本当の親子になる3つのアプローチ(2017/10/24 16:10)
継親への怒りをリセットする4つの儀式(2017/10/24 16:10)
円満相続にする3つの秘訣(2017/10/23 19:10)
円満相続のたった1つの秘訣(2017/10/17 21:10)
相続で継子の荒ぶる感情をなだめる3つのアプローチ(2017/10/17 21:10)