金井 高志
カナイ タカシグループ
加盟店からのクレームの増加
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この数年、本部(フランチャイザー)に対して、加盟店(フランチャイジー)からクレームがくることが増えているように思います。例えば、加盟して、1-2か月の段階で、本部から説明を受けていた内容と異なるなどのクレームがあり(顧客の開拓に数ヶ月かかることが通常のビジネスであることが自明のビジネスであるにも拘わらず)、加盟店が本当に事業者としての自覚を持っているか疑問に思えるケースがあります。
不景気が続くと、フランチャイズに加盟する脱サラの人が増え、事業者としての意識がないままに加盟することが多くなり、トラブルが増えるという現象が起こることが常なのですが、リーマンショック後の不景気で、そのようなことが再度、起こり始めているように思われます。
そして、最近は、フランチャイズの加盟店側からの相談を積極的に受ける法律事務所・弁護士が増えてきていますし、そのような法律事務所・弁護士がいろいろとインターネット上で情報発信をしたりしていますので、加盟店も多くの情報を得ることができるようになっています。
従って、加盟店が本部にクレームをつける際にも、きちんと法律論でクレームをつけてきますので、本部側もきちんと対応できないと、フランチャイズビジネスをうまく運営できないという状況に陥ります。また、一つの加盟店からのクレーム対応を誤ると、他の加盟店との関係に影響がでることが多くあります。そして、特に、現在、加盟店は、自分自身だけではなく、他の加盟店とも連携して、本部に対してクレームを申し立ててくるケースが増えています。ある加盟店が中心となって、他の加盟店からの情報収集も行い、複数の加盟店がまとまって、本部にクレームを申し立てるケースがあるわけです。
日々、フランチャイズビジネスの業務をしており、常に数件のフランチャイズ関係の訴訟を担当している者として、現在の状況は、本部にとって、自社の加盟店に対する指導、クレーム対応などの体制を整えることが従前以上に必要になってきていることを実感させるものとなっています。
しかしながら、まだ、多くのフランチャイズ本部は、現在の状況への認識が甘いように思われます。フランチャイズ本部のリスクマネジメントとしては、あまりにも無防備であるように感じることが多いのが現状です。
フランチャイズ本部としては、もう少し、加盟店側のさまざまな状況を把握して、トラブルが起きても、事態が深刻にならないように対応する準備をしておく必要があると思います。
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