見波 利幸(主席研究員)- コラム「インドでのメンタルヘルス」 - 専門家プロファイル

見波 利幸
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見波 利幸

ミナミ トシユキ
( 東京都 / 主席研究員 )
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インドでのメンタルヘルス

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2012-04-18 12:40

2012年3月にインドに行ってメンタルケアをしてきました。

 

場所は、マハーラシュトラ州にあるムンバイの近くのプネー市。目的は2つ。一つは、プネー大学にて短期留学生に向けて「メンタル強化」のテーマで講義。もう一つは、インドへ赴任しているプネー在住者に対してのカウンセリング。

 

■プネー大学での講義

参加者は日本から来ている大学生。男女5名ずつの10名に対して「メンタル強化」の講義を行いました。皆さんの渡航目的は色々で、これからインドでインターンシップを計画している方、これからインドに数年間住もうとしている方、将来の就職で海外勤務を希望している方、何かを掴みたくて来ている方、など多様でした。

講義内容は、目標達成とモチベーションの関係、達成するための土台作りなどの内容でしたが、皆さん真剣そのものでした。やはり目的を持っておられる方の意識は非常に高く、心に刻むような聞き方で深い理解が得られたように思います。

講義の終わり頃には、深く何度もうなづく方、眼を真っ赤にして食い入るように身を乗り出して聞いている方、涙を流されている方・・・・

私と受講者全員が一つの部屋で心一つになった瞬間を感じました。

わざわざインドに来て良かったなと強く感じた一瞬でした。

私が日本に戻って、数日経ってから受講者の一人から丁寧な講義へのお礼の手紙を頂きました。講義内容に強く心が揺れたようで、これからの人生に向けての思いをしたためて下さいました。

素直な人こそ、伸びていける人だと思います。

 

■インドに赴任している邦人在住者に対してのカウンセリング

3名の方にカウンセリングを行いました。お二人は同じ会社の社員で、日本の大手企業に勤めている30歳前後の男性二人。インドへは半年ほど前から赴任しています。

お二人とも日本の本社からのサポートが手厚く、大きな障害はなかったようですが、赴任して3~4ヶ月程度経った頃に、メンタル的にかなりきつい時期だったようです。しかし、半年の勤務ということで、もう直ぐ帰国できるということが乗り越えられた一つの要因のようでした。また、同じ境遇の社員がそばに居ることで、相談し合ったり、助け合ったりできることも大きな要因でしょう。海外勤務者の中には、本当に一人で赴任している方も居れば、期限が決まっていない方も居る。また、日本の本社からのサポートもほとんど受けられない方もいます。メンタルヘルス不調に大きく影響する要因であることは間違いないと思います。

 

もう一人の方は状況が全く逆の方でした。一人で赴任し、インドで新たにビジネスモデルを作るという立場、期限も決まっておらず、日本からのサポートもほとんどありません。不安や悩みも高く、ストレスは極限に近いように感じました。この方は、ほどなく日本へ緊急帰国となりました。

 

■今回のインドで感じたこと

短期留学生たちには、目的と意義、行くことの価値を渡航前に十分考えることで、目標が定まり、より強いメンタリティが保てることにつながるのではないかということ。そうすることによって、目標に向かうパワーもスピードも違ってくるのではないでしょうか。

 

海外勤務者に関しては、赴任前にやはり目的と意義、行くことの価値を十分考えて、常に意識に上っている状態が必要だと思います。また、赴任に際しては、その国の事情、環境を十分に情報伝達する必要があります。更に渡航前のメンタルヘルス研修も必須だと思います。できれば、赴任先で日本語によるカウンセリングを定期的に受けられることが必要ではないかと思います。1年に1回でも2回でも、かなり違う結果になるのではないかと思います。

 

また、忘れがちなのが、海外勤務者が帰国する時期に共通する不安があります。

「今回の海外勤務において自分は職責を果たせたのだろうか」「これからの日本勤務で期待される成果を出せるのか」。実は、帰国前に非常に強い不安があるようです。「ようやく帰国するから気分も晴れやかだろう」などの心理状態ではない場合が多いことに留意することも必要だと思います。

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