- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
埼玉県にあるさいたま市見沼区の家では、大きな本棚を製作をしました。
壁面を兼ねた大きな家具を製作する場合、家具工事にするか建具屋さんに作らせるかで悩むところです。今回の計画では家具屋さんが二つに分かれた製作済みの本棚を現場に持ち込んで、つなぎ合わせるという方法を採用しましたが、これは大きさ、作業効率などを考えた結果です。家具屋さんの場合、工場製作となりますので、精度の高い家具を作ることができます。板のカットひとつとってみても、自動に機械的にカットすることが出来る家具屋さんに対して、大工さんの場合は現場でのカットとなるため、正確に90度を出すことが難しいのです。とはいえ大工さんもプロであるので、例えばカットをするための定規を造ったりの工夫をして、ほぼ90度には出来るわけですが、ここまで大きなものになると、現場での施工誤差が大きなひずみになってしまう可能性もあり、なかなか難しいのです。
それにしてもこの本棚、今までますいいで製作したものの中でも最大級で、本やCD、ビデオなどを収納するためのものです。人が暮らす家である以上は当然に必要になるし、そういう要求にこたえられてこその出来るデザイン住宅の意味であると思います。普通の要求でないものが現れたときこそ、力を発揮することが出来るの面白さがあります。