保険で鍼灸マッサージを認める保険団体のはなし
-
受けるには関門が二つある!?
コラム2回目は、訪問マッサージ・鍼灸~健康保険適応の制度・理由についてお話しします。
保険を使ってマッサージ・鍼灸を受ける場合、二つの関門があります。
一つが、医師の同意書。
もう一つが、保険者(保険証を発行している所)。
この二つを乗り越えられないと、保険を使ってのマッサージ・鍼灸を受ける事は出来ません。
まず、マッサージの健康保険適用は、「どんな病気か」という病気の『種類・名前』ではなく、「どんな症状があってつらいのか」という『症状』が重要です。
関節が固く動かしにくくなる、筋肉が麻痺している、痛みが著しい等の症状があり、医師からマッサージが有効と認められた場合になります。
残念ながら病院や接骨院のように、治療院に行ったらすぐ保険証を出して保険で受けられた! にはなりません。
言い換えれば、いわゆる急性期の症状については病院や接骨院で。慢性の症状が、鍼灸マッサージの領域だという棲み分けが為されているのです。
この、医師の同意書については、次回以降に又深く掘り下げて触れていきます。
次の関門・保険者についてです。今回はこちらについてじっくりと触れます。
あなたの健康保険証はどこが出している?
病院で出す健康保険証については、大きく分けて4つあります。
・後期高齢者医療制度(75歳以上の人が加入しています)
・国民健康保険(各市区町村で、75歳未満で主にフリーランス・自営業の人が加入しています)
・大企業の健康保険組合
・中小企業の協会けんぽ
・公務員の共済組合
当事者としてよく言われるのが、大企業の健康保険組合は保険施術が認めてもらえない。
実際、お医者さんが同意書を書いてくださっても、保険側で鍼灸マッサージの保険施術を認めない。または、認めはするがまず一度全額支払った後、一般の方には難しい償還払いの手続きを自分でやってくれ。と、いう例が多いのです。
昨今言われている医療費の高騰から、抑えられる所は抑えてしまえ。という意見もあります。
そもそも健康保険って何だ!?
しかし、ここで『健康保険』という存在をよく考えてみましょう。
もし、これが日本でなくアメリカだったら?(お時間があれば一度調べてみると面白いですよ)
まず、各健康保険証の被保険者(対象者)の年齢を見てみましょう。後期高齢以外は、いわゆる現役世代・働き盛りの人達ですよね。
次に、その各保険の対象者を考えてみましょう。国民健康保険と、協会けんぽに加入している人達に較べて、幾ら不景気だと言われても大企業や公務員共済は圧倒的に福利厚生がしっかりしています。
自営業の人や協会けんぽ所属の人は、もし心身に何かあった場合、その間収入が途絶えてしまう人も多いです。そもそも、その何かあった場合に備える事そのものが大変です(筆者は国民健康保険ですので、その辺リアルです・・・)。
大企業や公務員の場合、休職する事態に対して減額があったとしても収入があり、復職もスムーズです。健康診断や休暇も取れます。
見方を変えれば、保険での鍼灸マッサージを認めない保険者団体は、施術というメンテナンスサービスを受けるに至る前に、既に福利厚生にてフォローがされている。受ける前に、まず自分でメンテしなさい。と、言っている訳です。
保険施術を認める保険者団体は、そういった福利厚生部分が厳しいので比較的認めてくれやすい。とも言えます。
制度・その運営に対してこのような考え方の土台があるのであれば、働き盛りの人が保険を使って鍼灸マッサージを受けるというのは、心身及び経済的にもかなり厳しい状況になっている…とも言えますね。
何でうちの保険では鍼灸マッサージが出来ないのよ! ではなく、何故この保険者なら認められるのか。どういうサービスが受けられるのか。そういう観点から保険の関門を捉えてみると、自ずと対象者がご年配の方になっていくのも納得できるのではないでしょうか。
次回は、医師の同意書を軸に、鍼灸師・マッサージ師側から見た保険の制度・解釈について触れていきます。
このコラムに類似したコラム
整骨院の求人情報(007080) 高松 裕美 - 転職コンサルタント(2012/06/16 12:00)
鍼灸院の求人情報(007043) 高松 裕美 - 転職コンサルタント(2012/05/24 12:00)
治療院の求人情報(007027) 高松 裕美 - 転職コンサルタント(2012/05/10 12:00)
整骨院の求人情報(007018) 高松 裕美 - 転職コンサルタント(2012/05/02 12:00)
明日は満月☆ 川上 美佐 - 恋愛アドバイザー(2013/11/17 11:02)