- 鈴木 将樹
- 英語総合即戦学校
- 英語講師
対象:英語
僕はオーストラリアの大学に通ったわけですが、オーストラリアに行って、日本のいいところも悪いところもたくさん見えてきました。
僕はいわゆる「外国かぶれ」ではなく、日本は悪いところだらけとは全く思っていません。オーストラリアの文化に触れたからこそわかった日本の良さもたくさんあります。
ただ、教育に関しては、全くいいところを見つけられないでいます。
特に根本的な問題は、「一発勝負」ということです。
試験や成績はすべて一発勝負で、大学なんかはそれで一生が左右されるといっても過言ではないでしょう。逆に言えば、それを乗り切ればもうOKというケースばかりなのです。勉強をすることは、テストを通るためのものではないはずです。勉強して知識を身につけるのがゴールのはずなのです。
これは点と線、という言い方もできるでしょう。
オーストラリアの大学では、成績がつけられるときに、「試験 40% プレゼンテーション 20% レポート20% 定期課題 20%」のようにパーセンテージがつけられています。単位をとるためには50%以上が必要なことが普通ですが、試験がたとえ満点でも40%にしか満たず、学生は学期を通じて、すべての課題に真剣に取り組んでいく必要があるのです。次の課題をやるためには前の課題の知識が必要になる、というようにすべては線でつながっています。
もっと言えばオーストラリアではいわゆる入試はありません。
大学に入るときには、高校3年生にあたる学年の成績を数値化したものを提出し、入学が認められるのです。これも1年の結果が評価されるわけです。
このシステムに身を投じたときに、確かに大変ではありましたが、合理的だし、ぐうの音も出ないほどフェアだし、筋が通っていると思いました。
日本はテストのための勉強になってしまっています。受験が終われば、必死になって身に付けた知識を簡単に手放してしまうわけです。これでは、使える知識、能力にはなっていきません。
このようなテストのための勉強という学習法が、身にしみついてしまっている方が僕の生徒さんの中にも相当います。
単語の宿題を出しても無意識に「来週チェックがあるから覚えよう」と思ってしまっているので、その次の週に見直すということが習慣づけられていなかったりします。単語を覚えるのはチェックがあるからではなく、それを覚えて使えるようにし、英語力を伸ばすのが目標なのですが、そのような意識が薄いわけです。
ですので、家庭学習をやるにあたって、そのような日本式学習法の「呪い」を解くことが必要になってくることがほとんどで、歯がゆさを感じますし、日本の教育を恨みもします。お受験、予備校、塾・・・。英語には訳せないものばかりです。このようなものがまかり通っている日本の教育は異常だと思うのですが、あまりにそれを指摘する人が少なく(いまだにお受験ママってたくさんいますね)、僕がおかしいと思われるのも困るので、自分のブログでささやかに述べるだけにしておきます(笑)
橋下さんなら変えてくれるかもしれないと、僕は本気で期待していますが。
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