- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:新築工事・施工
ちょっと前のことですが・・
某現場で地中障害がありました。
おかげで、こちとらは大変!
現場も大変!
何がって・・?
設計やり直しになってしまったからです。
場合によってはお客さんも大変になります。
予期せぬ大金がたくさんかかることになるからです。
地中障害ってわかりますか?
そう・・
言葉の通りです。
地中、つまり地面の中で何か障害が出てしまい工事が出来なくなってしまうことを言います。
現在の技術をもってすれば・・
出来ないことはないのですが、予期せぬお金が大量にかかることになってしまうのです。
そして、どのような工事請負契約にも、どのような約款にも、あるいは裁判の判例にも・・
この地中障害が出た場合、どこにも工務店に責任があるから工務店がどうにかするなどとは書いてありません。
見積書にも契約書にも約款にも必ず書いてあるはずです。
地中障害が出た場合は別途と・・
そうなんです。
地中障害は予期することが非常に難しく・・
というか、多くの場合、予測が出来ません。
そして、その対応にはとてもお金がかかるのです。
地中障害にはどんなものがあるのか?
というと・・
一番多いのは・・
実は・・
地中に埋められたゴミです。
ゴミと言っても紙くずとか生ゴミとかではなく・・
産業廃棄物とかどっかの建物を解体した物がゴミとして埋めてある物・・
などです。
それから、地中に石がある場合。
石と言ってもその辺に転がっている石とは訳が違います。
巨石、直径が何メートルもある石。
自然に混じっている場合ももちろんありますが、多くは過去に処分に困って埋めてしまった・・
まあ、これもあるいみゴミなのです。
それと、まれに地中に、地面の下の土の中に穴が開いている場合などもあります。
これも地中障害の一種です。
自然に開いていることもあるのですが、過去に石炭や鉱石や石などを掘ってほったらかしにされた人為的に掘られた穴、などもあります。
自然に障害がある場合や人為的に作られた穴などは、ある程度はこのあたりは良くない・・
とか・・
この辺は出るかもしれない・・
などと、廻りの状況や過去の資料などから、想定することが可能です。
ところが、人為的にこっそり埋められているゴミなどは・・
どうにもなりません。
堀方を始めたらいきなりユンボのシャベルがガチャーン!
杭を打ち出したら掘削機がガーン!
なんて・・
ぞっとする瞬間です。
杭打ちを始めた頃に・・
いきなり電話がリーン!と監督から・・
やば!
案の定・・
先生!
掘削が止まってしまって入りません!
あーあ・・
出ました・・
巨石です。
なんと・・
出てきた巨石!
あきらかに立派な庭石だった物。
買えば何十万では無理でしょう、でも処分するとさらに何十万もかかる。
いつか誰かが処分に困って埋めたらしい。
掘り出して処分すると、とんでもないお金がかかってしまいます。
やむなく・・
建物の位置を変えることに。
設計変更・・
当然、変更計画確認申請・・
許認可は全て取り直しです。
はあ・・
でも処分するよりは、はるかにお安く済みますです・・・
【 このコラムはブログ記事をまとめた物です。詳しくはブログ「よもやま建築日記~家づくりの現場から~」をどうぞ。 】
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