中田横浜市長、突然の辞任宣言 - コラム - 専門家プロファイル

平 仁
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中田横浜市長、突然の辞任宣言

- good

4日間更新をお休みしてしまいました・・・
更新していない間に、政治が大きく展開してきましたね。

一昨日には民主党がマニフェストを発表し、30日発表予定の自民党の
マニフェストが出揃うと、マニフェスト選挙が実現することになりました。

昨日、今日のマスコミや新聞の報道を見ていると、民主党のマニフェストに
対してかなり辛辣なコメントが寄せられているように思う。
考えてみれば、非現実的なマニフェストを出しているのは、民主党以外の
野党各党も同様であり、かつての民主党のマニフェストにも多分に
非現実的な構想はあったのではないかと思う。

しかし、今回ここまで否定的なコメントが出てくるのには理由がある。
民主党政権の実現可能性が絵空事ではなくなり、そのマニフェストを実行に
移す可能性が高まっているからこそ、従来から行われてきた政権与党に
対するマスコミの批判と同様の厳しい視線が民主党に注がれだしたからである。

そういう意味では、今までのような、反対のための反対や、政権与党への
アンチテーゼとしての批判ではなく、具体的な実現性を持った政策を持って
政策論議ができることが期待されていると言えよう。
そうでなければ、自民党に期待できないから民主党という消極的な選択肢
でしかなく、もし政策が失敗したときには、致命的なダメージを受けかねない。

民主党のマニフェストの内容については、明日のブログで詳しく述べたいと
思うが、私の危惧が現実にならないことを願うばかりだ。


また、昨日は、中田横浜市長が突然の辞任宣言。
横浜市政改革が完成する前とはいえ、任期満了の3月まで全うすると
選挙費用で約10億円よけいにかかるということ、9月には2010年度
予算編成が始まるため、任期満了に伴い勇退予定の自分が決めた予算より、
新市長の方針に基づいた予算編成をすることが横浜市政に良い、等による
判断だと言う。

唐突である印象が強く、今回の衆議院選挙を睨んでの国政転身?と強く
疑われるタイミングであるだけに、真意が図りかねている。

しかし、小さい頃から優秀で家柄も良い方が多い政治家の中にあって、
自分で気付きを得たときから一念発起して勉強し始めて、政治家となり、
横浜市長にまで上り詰めた中田氏には大いなる期待を寄せていきたいと思う。

彼の半生は、中学、高校と決して成績優秀とはいえない方に、
非常に参考になると思う。
中田宏「なせば成る 偏差値38からの挑戦」講談社α文庫2005年
を是非一読頂きたい。
本書は2003年に出版された同名の書籍の文庫版であるが、彼のチャレンジ
精神の源泉を垣間見ることができる良書である。

私は高3の5月の某予備校の公開模試で英語の偏差値が28だった
ところから1浪の末、母校法政大学に進学した。
私の体験からも、できなかった経験があるからできるようになった
自信が持てるのだと思う。
中田氏は「高校三年生のとき、偏差値38を記録した」(25ページ)
そうだが、2浪の末、青山学院大学経済学部に進学。
大学4年生のときに、松下政経塾を知り、その門を叩いたことが、
現在の政治家中田宏を生んだという。

中田氏のチャレンジ精神は、最初の章 「バカ」?・・・だから、できる!
に凝縮されているように思う。

自分で「できない」と思えば、できることもできなくなる。
その反対に、自分で「できる」と思えば、できないことだったできるようになっていく。
コンピュータ技術者は、頭がいいからやっているのではない。
コンピュータが得意なだけなのだ。
科学者も頭がいいからではない。
科学がすきなのだ。
宇宙飛行士は、心のそこから宇宙に行きたかったのだ。
反対に、バカだからやる職業などはこの世にない。
どんな仕事にも頭を使う。
人それぞれ、得意、不得意はある。
不得意な分野だって、多少やる気になれば程度は違ってくる。
ましてや、学校で習ういくつかの科目のみをもって、自分の人生の限界を
設定するのはバカバカしいことだ。
「この世の中に不可能はない」
そのくらいの意気ごみをもって、自分勝手な思いこみによる
「自称バカ」は、いますぐにやめよう。
(27-28ページ)

私の院の同期の稼ぎ頭の一人は、国士舘大学の内部進学です。
彼は、既に複数の書籍を自分の名前で売っています。
彼が専門学校で指導していた当時は、かなりの人気講師でしたし、
非常に頭の切れる男ですね。
知識ではなく(もちろん講師になった頃には知識量も素晴らしいですが)、
知恵で人生を勝負するタイプで、少なくとも中田氏の言う「自称バカ」
とはかけ離れた男ですね。

私の教え子にも、スポーツ推薦で入学してきて、2年生までの成績は
凄惨たるものでしたが、大学3年の後半には自分の将来設計を見据えて、
自分でバイトした金で専門学校に通い、4年の4月には就職先を決め、
現在は自分の夢を実現すべく、日夜頑張っている男がいます。

私は授業中、学生に対して、かなりの暴言を吐き続けていますが、
彼らのように化けてもらいたいから、あえて苦言を呈しているつもりです。

人生には、早く結論を出さなければならないことと、長期計画でやらなければ
ならないことがある。
いますぐ結論を出さなくてもいいものは、「急がば回れ」の精神で、
アンテナだけは立てておく。
それをつづけていれば、いつか「それだよ!俺が求めていたのは!」という
瞬間がやってくる。
自分を活かすための偶然の出会いは、人生のなかで必ずある。
そして、それは偶然ではない。
なぜならば、頭のなかに意識しつづけた結果、出会った人、起こったことは
すでに必然なのだ。
何か気になることがあったら、そのことをずっと意識しつづけることが大切。
意識していなければ、せっかく求めていた情報も気づかぬうちに目の前を
通りすぎてしまう。
(121ページ)

中田氏は、辞任会見で、国民会議に専念する旨を仰っていましたが、
彼からすると、さらなる改革の実現に向けてキャッチしたアンテナが
国民会議なのかもしれませんね。

やらずに後悔するより、やってみて失敗しても経験が残ります。
まだ40台という若い政治家だけに、横浜市長としての2期7年半の
経験を次のステップにどのように活かしてくれるのか、期待したいところだ。