ベストセラーが盗作で回収へ - コラム - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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ベストセラーが盗作で回収へ

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ベストセラーが盗作騒動により回収へ
2日3時9分YOMIURI ONLINE記事はこう報じた。

約23万部を売り上げたベストセラー「最後のパレード ディズニーランドで
本当にあった心温まる話」の盗用疑惑で、発行元の「サンクチュアリ・
パブリッシング」(東京都新宿区)は1日、同書に収録の33話中、
少なくとも7話で「著作権侵害の可能性が高い」とする社内調査結果を
公表し、鶴巻謙介社長が「関係者、読者におわびする」と謝罪した。
同日から書店などに出回っている16万部の回収を始め、全国紙に
謝罪広告を出す方針を明らかにした。
同社によると、問題の7話は、社団法人「『小さな親切』運動本部」が
主催したキャンペーン入賞作品や、東京ディズニーランドを運営する
「オリエンタルランド」(OLC、千葉県浦安市)の社内教育用文集に
掲載された6作品と内容や文章の表現が酷似していた。




すでにネット上で炎上中という感がある中村氏による盗作騒動であるが、
引用と盗作とは異なるものの、引用しているのであれば、
どの部分が引用であるのかを明示しなければ盗作と呼ばれても仕方あるまい。

私もブログを書くために、ネット上の新聞記事を引用しているだけに、
注意しなければならない。
もっとも、私の引用の仕方が、ネット記事の全文に近い形の記載が多く、
著作権法上、問題があることは承知しているのだが。

我々税理士業界でも、税理士資格獲得のために大学院進学が悪用されていた
いわゆるダブルマスターについても、某B大学でS大学の優秀論文集に
掲載された論文を盗作したことが、税理士登録後に発覚して、
税理士登録を解除される事態に発展したことがあった。

当然のように、この税理士を指導した教授は退職しているが、指導能力が
なかったからなのか、めくら判(すいません、差別用語ですね)を
押していたのか、詳細はわかりませんが、社会的制裁を受けたわけですね。

残念ながら、書籍自体を手に入れる前に回収になってしまったので、
読めなくなってしまいましたが、内容自体はベストセラーに値するもの
であったようです。
しかし、出版社がかわいそうですね。
誠実に良書を世に送り出してきた出版社なだけに、改宗せざるを得なくなった
ことは残念です。

ただ、プロの作家ではない方による本が増えてくる中、こうした事態は
想定されていたことだと思います。

プロの作家は、ネタ切れの恐怖と戦いながら、必死に取材をして、
盗作という甘い誘惑に対して、それだけはやってはいけないことだと
理解をしているから、矜持を守れるんですね。
それでも、直木賞作家でさえ、ネタ元が特定できるとして出版差し止めを
最高裁に判示されているケースもあるのです。

ましてやネタ元からクレームがでたら、相手を訴えるそぶりを見せる逆ギレは
言語道断としか言いようがありませんね。

最初から、参考文献としてネタ元を挙げていれば、少しは違う状況になった
のでは、と思うのですが、実際はどうだったのでしょうか?

参考文献としてまったく挙げていなかったとすれば、著作権法違反は
免れないものと思います。

出版して知名度を上げたい方や、営業ツールに使おうと考えている方は
ご注意くださいね。