帝国ホテルの旧本館 - コラム - 専門家プロファイル

一ノ瀬 寛人
株式会社ジェノス 
東京都
建築家

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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帝国ホテルの旧本館

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話がかなりそれてしまいましたが、本題の帝国ホテルの旧本館に話をもどしたいと思います。
常滑にあるINAXミュージアムでフランク・ロイド・ライトの帝国ホテルの旧本館の壁面や柱に使われている立体タイルをINAXさんで作っていた事を知って、「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、すぐに帝国ホテルの旧本館が移築されている愛知県犬山市にある明治村に行きました。
歴史を学んだり素材に触れたりする事によりさらに違った観点から建築なり物を見る事ができたと思います。
以前聞いた話では、ライトの帝国ホテルの旧本館は、オープニングセレモニーの準備中に関東大震災にあい、まわりの建物のほとんどは倒壊したが、帝国ホテルは無傷だったという伝説的な話を聞いていましたが、実は、かなり致命的なダメージを受けていて補修しながらの運営だったとの事でした。
建築費は当時予定していた金額の3倍近くかかってしまい工期も1年半の予定が5年もかり建築途中にライト自身も帰米してしまったとの事でした。
また、自分の意思を正確に伝えられないなど、言葉の壁に悩まされたらしく恐らく困難のなか進めざるをえなかったのではないかという状況と、窓枠、家具、木や石の彫刻、絨緞、カーテンにいたる全ての図面を一人で描いたとの事らしく、まさに天才としか思えません。その中で工期や建築費の問題を思うと相当戦っていたのだろうと思いました。