文化の問題 その2
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2005-11-26 01:45
今回のは、ある意味では良かったのかもしれないとも思う。
なぜなら、今のところ死者は出ていない。
阪神の震災ではどうだったろう?
あの地域に強度偽造の建築物が無かったとは言い切れない。
比較的新しいマンションも12階建てだったのが11階建てになっちゃったりしていたが、
しかし、あの凄まじい惨劇のニュース映像のおかげで、
「すべて地震のせい」という、無意識の了解ができてしまった。
今回の人はバレちゃったので袋叩きに遭っているが、
阪神の震災でバレなかった人がいたとするのなら、
そして強度不足による被害が出ていたとするのなら、
事の重大さと、それを誰にも懺悔できないことに、
孤独な苦悩から一生逃れられないで苦しんでいたりするのかもしれない。
(し、しないのかもしれないし、そんな人はいなかったのかもしれない)
ところで、今回の件で、「もし明日大地震が来たらどうするんだ」と憤る住人がよく出てくるが、
どうするんだとマイクに向かって言っている時間があるなら、何でさっさとあのマンションから離れないのだろう?
本気で地震の心配をしているのなら、保証金の請求なんて、あとからいくらでもしつこくやればいいのだし、
今後の展開が不透明だろうとなんだろうと、自分の命に替わるものはない。
こういう言い方は反感を買いそうだが、
どうもあの人たちを見ていると、
「安全というのは、与えられているものだ」とでもいうような
甘えの上で堂々とされているようで、なんだかイヤな違和感を感じる。
「もし明日大地震が来たらどうするんだ」という正論ですら、
ただのイチャモンにしか聞こえないというのは、
うーん、なんだかなぁ・・・。
この件に関して、書きたくないと言いつつ、
こんなに書いてしまう自分にも、
うーん、なんだかなぁ・・・。
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このコラムの執筆専門家
- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
響きあう木の空間
森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう