日本経済09年3月号 - 保険選び - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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日本経済09年3月号

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  1. マネー
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やさしい経済の話し 日本経済の話し

急速に逆回転し始めた日本経済**



<逆回転その1>
輸出偏重(GDPへの寄与度は6割に達していた) + 円安 ⇒ 設備投資拡大
                   ↓
           輸出の急減 + 円高 ⇒ 在庫急増

日本経済の長期にわたる成長期においては、順調な欧米の経済成長に寄る面も大きいが、なんと言ってもBRICsを中心とする新興国の急速な経済成長に支えられていた。それに加えて、金利差をベースとして、為替が対ドル、対ユーロ共に円安基調にあったことが、輸出企業の収益に大きく寄与していた。「円安バブル」とも言われている。そして、自動車、家電企業をはじめ多くの企業が国内に工場を新設するなど設備投資拡大がGDPにも大きく寄与してきた。

これが、欧米の急激な経済悪化および、リスク回避資金が円に流れ込んできたために急激な円高に見舞われたために、震源地である欧米の経済悪化以上に急速に日本経済は悪化してきている。輸出の急激な落ち込みは、国内の鉱工業生産を急激に押し下げ、在庫が積みあがる中で国内生産が一気に冷え込んだのである。さらに、円高により輸出企業の収益は1企業あたり数百億から数千億円にも及ぶ収益を吹き飛ばしてしまった。
このように、輸出偏重構造が逆回転することにより、欧米以上に景気が落ち込んでしまっているのである。

<逆回転その2>
個人の可処分所得は拡大せず + 非正規労働者の急増 ⇒ 消費拡大
               ↓
個人の可処分所得減少 + 非正規労働者の急減 ⇒ 消費減少

いざなぎ景気を凌ぐ長期の経済成長期にあったにもかかわらず、企業は、過剰設備、過剰雇用、過剰借入を削減することに注力したため、正社員の給与の伸びは非常に低いものであった。その代り、非正規社員を急増させたために、全体としては雇用が拡大し、その結果、消費が拡大した。

しかし、非正規労働者が急減すると同時に、正規社員の給与ベースも減少していくものと思われ、その結果、消費が減退するという逆転現象が起こっている。非正規労働者の契約解除による雇用者数は急減しているが、総賃金ベースや労働投入量ベースではそれほど大きな割合を占めていないため、今後は、正規社員に対する賃金・雇用調整が本格化してくるものと思われ、更なる消費の減退が予想される。

衝撃のGDP


2月16日、2008年10~12月期の実質GDP成長率が発表された。前期比▲3.3%、年率▲12.7%というショッキングな数字であった。このマイナス幅は、第一次石油ショック後の1974年1~3月期の前期比▲3.4%以来となる低い数字である。要因の一番は、やはり輸出で、現行の統計開始(1955年)以来の前期比▲13.9%という最大の落ち込みを記録した。

内需も大きく落ち込み、個人消費が前期比▲0.4%と2四半期振りの減少。自動車や家電などの耐久消費財の買い控えが目立っている。設備投資が同▲5.3%とこちらは4四半期連続の減少となっている。雇用不安が益々高まる中、個人消費は減少幅を拡大するものと予想される。

落ち込みが激しい輸出関連


昨年の世界金融危機に伴う世界経済の急速な後退による輸出の激減が、日本経済を一気にマイナス成長へ落ち込ませた。1~3月期についても二桁のマイナス成長が続くものと予想されている。
1月の貿易統計によると、輸出額は前年同月比▲45.7%(12月同▲35.1%)となり、3ヶ月連続で過去最大の下落率を更新する結果となった。地域別では、欧米アジアとも5割の減少となっており、欧米向けは過去最大の減少率を記録。この結果、貿易収支は9526億円の赤字となり、第二次石油危機時の8248億円(1980年1月)を更新した。2007年9月には1兆6087億円の最大の貿易黒字を記録してからわずか1年余りで最悪の状態となり、今回の経済悪化が如何に急激且つ最悪のものであるかがわかる。

また、今回の不況の原因が、石油ショック時のように原因が一過性のものではないだけに、根本的且つ大規模な経済政策が求められていることを政治家(与党野党含め)は理解してほしいものだ。
1月の鉱工業生産指数は前月比▲10.0%と3ヶ月連続で単月としては過去最大の減産幅を更新した。詳しく見てみると、電子部品・デバイス(前年比▲50.0%、前月比▲21.8%)、輸送機械(前年比▲44.7%、前月比▲17.3%)、一般機械(前年比▲36.1%、前月比▲12.8%)というように輸出関連業種の落ち込みが異常に大きなものとなっている。

一方、在庫指数が前月比で▲2.0%と減少に転じ、在庫調整が始まってきている様子が伺える。しかし、在庫率指数は前年比では+51.3%とまだまだ在庫が積みあがっており、在庫調整が終わるにはかなりの時間を要することになりそうである。

設備投資の先行指標である機械受注は、1月の民需(除く船舶・電力)は前月比▲3.2%(12月同▲1.7%)となり4ヶ月連続で減少した。製造業からの受注が前月比▲27.4%と12月の+7.0%から急減している。前年比で見た場合には▲56.7%と半分以下に落ち込んでいるのである。
加工業の中では、自動車工業が前月比▲36.2%、一般機械▲28.9%などが大きく落ち込んでいる。

企業収益が半減


2008年10〜12月期の法人企業統計によると、企業業績は4期連続、設備投資は7期連続で減少した。売上高は前年比▲11.6%、うち製造業は▲16.3%と急減した。経常利益は全体で前年比▲64.1%(7~9月期▲22.4%)と半減。製造業は特にひどく、前年比で▲94.3%とほとんど底をついてしまった状態である。
このように、各種数字は急速に悪化しており、この状態は1〜3月期も続くものと予想される。米国などの立ち直りにもよるが、4~6月期に底打ち感が出てくるというのが最も楽観的な見方であろう。