お顔の氷ケアについてご説明してきましたが、体に対しての氷ケアも覚えていただくと便利です。なぜなら、夏は日焼けや虫刺されなど、体の肌トラブルもとても多くなる季節だからです
日焼けして赤くなっているところ、虫刺されで腫れているところには、皮膚が炎症を起こしている状態です それを鎮めるには、冷やすことが効果的です。虫刺されの場合は、冷やすことでかゆみも感じにくくなります
やり方は、基本的にはお顔に対するものと同じですが、体はお顔に比べて皮膚が厚いし、広範囲をすばやく冷やせるように、ビニール袋に入れる氷の量を5~10個くらいに増やすといいでしょう また、お顔より気を使わないことが多い体は、ついつい氷をそのまま肌に当ててしまいたくなりますが、刺激が強くなりすぎるのを避けるために、ちゃんとビニール袋をハンカチや薄いタオルなどに包んでから当ててくださいね
こうしたケアは、保険診療を受けられた患者さんから、すぐに病院へ行けない時に、自宅で簡単にできる対処法はないかと聞かれるのでお教えしているものです
また、皮膚科の領域とは少し違いますが、軽い日射病など体に熱がこもってしまった場合にも氷ケアはとても有効なんです でも、ちょっと勘違いされているかもしれないなと思うのは、氷枕や氷のう。頭やおでこを冷やすとたしかに気持ちが良いので熱が下がったような気がしますが、実際は体の熱はあまり下がっていないのです
体の熱を素早く下げるには、大きな動脈が皮膚の近くを通っている場所を冷やしましょう 例えば首の横の頸動脈。首筋の右側、左側、右側、左側……と交互に3秒から5秒くらい氷を押し当てます。わきの下や鼠蹊部(太もものつけ根)を冷やすのも効果的です 小さいお子さんの場合などはすぐに体温が上がってしまうので、なるべく早く冷やしてあげることが大切です。
ちなみに、これまで何回かに渡ってご紹介してきた氷ケアは、夏限定のものとして覚えておいてくださいね。体のメカニズム的に冬の時期には逆効果になることもあります
しのぶ皮膚科https://sclinic.jp/
このコラムの執筆専門家
- 蘇原 しのぶ
- (東京都 / 院長 皮膚科医)
- しのぶ皮膚科 院長 院長
皮膚科医だからこそ提供できる質の高い美容医療を
皮膚科・皮膚外科歴15年。 ヒアルロン酸、ボトックス治療に造詣が深い。 オールアバウト美と健康のガイドでもあり、執筆、テレビ、ラジオ、などのメディア活動も精力的にこなしている。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。