- 釜口 博
- BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナー
対象:保険設計・保険見直し
今回のコラムは、保険会社は絶対に負けないギャンブルをしているというお話しです。
保険のことを勉強すればするほど、保険というのは、本当にうまくでていると感心してしまいます。
なぜならば、あらゆる保険商品は、保険会社が損をするようにはできていません。
あらかじめ死亡率は高めに、会社経費にかかる経費は多めに、市場金利は低めに見込んで設定しているからです。
つまりかなり余分に保険料を徴収しているのです。
保険会社が徴収する保険料に占める経費率は公開していませんが、30%ほどと言われています。
商品によっては50%ほど取っている保険会社も実はあります。
おおむね20〜40%が保険会社の経費率です。
想像して欲しいのですが、もし投資信託の手数料が30%だったとしたら、みなさん購入しますか?
資産形成のための金融商品と保険を単純比較はできないと思いますが、あまりにも保険会社の経費率は高いと言わざるをえません。
また保険商品の中には、貯蓄性の高いものも存在します。
ですがこれらの商品は、保険会社の中ではいわゆる「客寄せ」商品です。
元本割れしない学資保険や短期払いの長期定期保険などの手数料などは、契約すればするほど保険募集人が赤字になるような商品です。
当然表だった赤字ではありませんが、保険募集人はほとんどが独立事業体ですから、行動すべてに経費がかかります。
赤字になるというのは、経費を考えれば赤字という意味です。
私が保険会社の直販営業をしていた時に、よく所長に言われた言葉があります。
「そんな保険ばかり売っていたら、そのうち食えなくなるぞ!少しでもいい生活がしたくて保険会社に入ったんだろう。保険屋は保障商品を売るもんだぞ!」
結局、「いつか必ず返すお金」を預かる契約は、保険会社にとってはおいしくない保険です(それでも絶対に損はしない設計になっていますが・・・)。
その逆で、「向こう10年間にもし万が一のことがあった時に数千万円を支払う」というような保険は、もしそうならなければ保険会社はまる儲けです。
生命保険、医療保険などは、すべて年齢ごとに保険料が設定されています。
高齢になればなるほど、保険料が高くなっていますから、保険金を支払う可能性が高い人は高額な保険料を支払うしくみです。
このように、保険というシステムは、保険会社が絶対に負けないように仕組んだギャンブルです。
過去にいかがわしい共済が次々誕生したのも、このギャンブル効果を知っているからですね。
保険料をたくさん支払っている方、このしくみを本当に理解していますか?