- 小林 裕美子
- ストゥーディオ ステラ 一級建築士事務所
- 東京都
- 建築家
50歳からは人生を楽しむ家づくり 11
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次は直下型地震が起きる・・・・と言われて現在のお住まいをどうしたら良いのか、
悩んでいる方が多いのではないでしょうか?
ところで、世間では耐震性はどうか?免震構造の家の方が安心だ、いや制振構造の
方が・・・・と言われて、皆様はますます迷われる事と思います。
この3種類の構造を大雑把に言えば、「耐震」は揺れに対する建物自体の耐力を言います。
「免震」は建物の基礎部分と建物を切り離す事で、地面の揺れを基礎から建物に直接伝えない
構造の事です。「制振」は建物の揺れを吸収出来るダンパーを建物内に組込む事により、
吸収させた分だけ建物の揺れが少なくなる構造を言います。
これから家を建てたり買ったりされるので有れば、地震に強く揺れの少ない構造の家を
選べば良いのですが、殆どの方は既に住んでいる家に対してはどうするかと言う事が
本当に大変な問題ですよね。
とりあえず1981年以前の古い耐震基準で建てられた建物や、2000年以前に建てられた
木造住宅にお住まいで地震が心配な方は、耐震診断を受けて必要な耐震補強をされる事を
お勧めします。各地方自治体でも耐震診断や耐震補強に補助金を出したりしています。
どんな補助金制度が有るのか無いのか、まずそれを調べてみることをお勧めします。
耐震補強で建物を充分強くしておいて、「免振」か「制振」かはその後の問題です。
どちらも揺れを全く無くす訳では有りませんし、その設備の質によっても揺れの程度は
異なりますが、ある程度揺れが少なくなる事は確かです。
ただし、制振補強は大変ですがそれなりに可能な工事ですが、既存の家を免振構造にするには
かなりの費用が必要です。それならば新築の方が良いのではないか考える程度と思います。
現実的に考えると先ずは耐震補強をして、余裕があれば制振補強をすることを
考えては如何でしょうか?
構造補強を考えると同時に、室内の危ないものを排除したり、家具の固定をしたり、
開き戸を引き戸に替えたり、古い瓦屋根を瓦より軽い鋼板材に替えたりといった、
構造補強より簡単ですがとても大切な「減災対策」を先にすることも重要だと思います。