末法の世とアセンション
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「仏教の中に全ての答えがある。」
そう言っていた私の師匠。
心理学、神智学、精神世界の学びなど、様々な本を読んだ末に松井さんが辿り着いたのは仏教でした。
当時の私は、そう言われても良く分からなかったのですが…。
今になって、本当にそうだなぁ…と思うのです。
一般的に良書と言われて何十万部と売れているベストセラー本を読んでも、人が勧めていた本を読んでも、極々当たり前のことしか書いてないなぁ…と最後まで読む必要も無くなってしまうのですよね。
最近、また同じように人が勧めていた本を読んでみたのだけれど…。
「やっぱり必要無い!」
という再確認で終わりました。
あれだけ昔は自己啓発本が好きで、何冊も読んだり、セミナーに行ったりしていたのに、今では外に答えが無いことがよく分かります。
仏教が説いているのは、この世の道理であって、宇宙の真理であって、これだけのことを科学が発達していない2,500年前に辿り着いたということに感嘆するのです。
よく「仏教のどんな本を読んだらいいのでしょう?」と聞かれることがあります。
私も昔、松井さんに同じ質問をしたことがありますが…。
「本だけ読んでもダメなんだよねぇ。」という答えが返ってきました。
仏教は実践の学問ですから、実践していく上で大きな経験を得ていくのです。
それは本を探すということにおいても同じ。
「こういう情報が欲しいなぁ。」と思っていると、その時のその自分に必要な情報が入ってくるものなのです。
全てにおいて同じことが言えるのですが、必要な時に必要なものが入ってこないのは、頭で考え過ぎだからです。
「学ぶのだから頭を使うのは当然でしょう?」
と思うかもしれませんが、知識と智慧は別物です。
余計な知識を入れれば入れる程、自分で判断が出来なくなり、誰かの言葉に簡単に動かされてしてしまう…。
頭で考えるのではなく、直感に従うと言った方が正しいのですが、そこにも大きな落とし穴があるのです。
人間はエゴにまみれて生活しているので、エゴからくる判断というものが、そもそも間違っていることが多いのです。
松井さんがよくこんな風に言っておりました。
「何でもやってみないと分からないよねぇ。」
本当にその通りなのですが、それを自らのエゴで拡大解釈してしまうのです。
例えば、ある日占いに行ったところ次のように言われたとします。
「あなたの全財産を、競馬のこのレースに注ぎ込めば大きなお金を手にするわね。間違いないわ。」
そう言われて全財産を競馬に注ぎ込もうとした時、横にいた友人から止められます。
「そんな馬鹿なことやめた方がいいよ!外れたらどうするの?」
止められた本人は、次のように反論します。
「そんなのやってみないと分からないでしょう!」
と、こんな愚かな話しはありませんよね?
分かりやすいように極端な例にしてありますが、こんなことを往々にしてやっているのが私達、凡夫というものなのです。
自らのエゴで月に向かって財布を振り、満月の日に願い事を書き、コルクボードに宝地図を貼る…。
そんなエゴからくる直感が当たるはずは無いのです。
何故なら、エゴは宇宙の調和を乱すものだからです。
「願いは何でも叶う。」
それも、その通りでもあるのだけれど、そんな言葉ですらも自分のエゴからくる解釈しか出来ないものだから、正しい答えというものが分からないわけです。
言霊というようなものが流行っておりますが、良い言葉を使っていればいいかと言えば大間違い。
だって、現状を見てみて下さい。
何も良くなっていないでしょう?
満たされないものがあるから、そういうものを信じ、何かを掴もうとしているのでしょう?
良い言葉を使っても現状が変わらないというのは、自分のエゴから唱えているからです。
心からの慈愛の言葉とは雲泥の差。
慈愛の心が湧いてこないというのは、この世の道理が分かっていないからに他なりません。
もしくは道理を分かった気になっているだけで何も実践していないからです。
今現在、世の中には様々なセラピーがあります。
そして、数多くの健康法が蔓延しています。
だから、心も体も健康かと言えば、まったくの逆です。
迷っている人、不健康な人が多いから、そういうものが流行るのです。
アセンションなどという言葉があります。
人間の意識が次元上昇を始めていて、宇宙の道理を分かっている人が増えてきていると…。
本当にそうでしょうか?
私はそれも逆なのではないかと思います。
実際、スピリチュアルというものが広がっておりますが、宇宙や霊性世界が好きな人に悩みが無いものでしょうか?
悩みがあるからこそ、何かに頼り、何かのせいにして生きているのではないでしょうか?
もちろん本当に分かっている人もいるとは思いますが、書籍で学んだ知識で分かっている…と思っている人の方が多いような気がします。
思想だけが残り、実践している人は少ない世の中…。
仏教では、この時代を「末法の世」と言います。
教えだけは残っているけれども修行する人はいないということです。
何も暗い世の中を嘆いているわけではありません。
こんな世の中だからこそ、自分自身を見つめ直していかなければいけないのです。
いつだって時代を変えるのは人間です。
自分の環境を変えられるのは自分自身です。
本だけ読んで知識を付けても何にもなりません。
何かに依存せず、自立した心を持って和を大切に生きていくことこそが幸せへの道です。
まず今の自分が信じているエゴからくるスピリチュアルの世界を捨てていくことが必要なのです。
最初は反発心も出ますし、依存心も抜けきれないので大変なことなのですが…。
それから抜け出した時、初めて実相の世界のことが分かるのですよね。
全てはお釈迦様の教えの中に答えがあります。
道理だけ分かれば、後は枝葉の問題なのですから、何かに依存しなくとも答えが分かるようになるのです。
本当なんですよ?
と、今日も長い独り言でした♪