犬と暮らす家の床材と壁材の選び方。滑らない床材よりも股関節障害の少ない血統を選ぶのが先! - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

吉田 武志
有限会社 ヨシダクラフト 代表取締役社長
栃木県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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犬と暮らす家の床材と壁材の選び方。滑らない床材よりも股関節障害の少ない血統を選ぶのが先!

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犬と暮らす家の床材と壁材の選び方。滑らない床材よりも股関節障害の少ない血統を選ぶのが先!

犬(ペット)を室内で飼うお宅が増えました。
「飼う」というより一緒に「暮らす」と言ったほうがしっくりくるほど、彼らは、家族の一員になっています。

初めて、室内で犬を飼う人からは、新築やリフォームで、床材や壁材は何が良いですか?
と質問を受けます。

ちなみに私は、室内で17年程ピットブルという犬種を飼っています。
自宅兼ショールームで犬は放し飼いです。下記の床材がほぼ全てありますので、種類による利点と欠点は体験済。

ネット上には、犬も飼っていないようなリフォームライターのような人が、ネットから拾ってきたような文章を、書き直しているような浅い記事があります。

しかし、そういう方とは、体験値が違いますから、犬と暮らす家の床材と壁材の選び方で迷っている人や、これから犬を飼いたい人は読んでくださいね。

犬と暮らす家の床材選びの話は、建材の特徴だけを聞いても、意味が無いのです。犬の特徴も理解しないとね。今回はその話を書きます。

今回は、犬を室内で飼う場合の床材と壁材の選び方をお話しします。

まず、どんな建材を選んでも、それぞれに一長一短があります。
全ての面で優れた材料はありませんから、予算や状況から諦める部分も大切です。
1番大切なのは、何もかも望まずに「あきらめる」こと、自分に合ったものを選択することが大切なのです。これは家づくり全般に言えることです。

ペットを室内で飼う上で2番目に大切なのは、「ある程度汚れたり、破損したりするのは覚悟すること」だと思います。

3番目に大切なのは、躾だと思います。排泄を決まった場所でせず床を汚す犬には、床材を考えるよりも、躾をして、散歩回数を増やしたほうが経済的だし自然です。

4番目に大切なのは、「床材選びよりも血統選び」だという話。
床材は、滑りやすいものを選ぶと、股関節を痛める犬もいるので注意が必要です。滑らない床材を選んだほうが良いというのは、ネット上に多数載っています。そのとおりだと思います。

しかし、遺伝的に股関節が悪い犬やその他障害のある遺伝子のある犬は、滑りにくい床材を選んでも障害がでる可能性があります。ですから、血統を調べて、遺伝的に問題のある犬種や血統は、意識して飼わないことが大切だと思います。

特に股関節障害が出る可能性の高い犬種。例えばゴールデンレトリバーを飼う時は、血統を調べて障害の少ない血統の犬をブリーダーから直接飼う。ペットショップの店員さんは、会社が仕入れた犬を売っているだけですから、血統の特徴は全く分かっていないのが普通です。ですから、自信の無い人はペットショップで飼っちゃダメです。犬を飼った経験の無い人ほど、ブリーダーから直接飼ったほうがトラブルは少ない。

滑らない床材よりも障害の少ない血統を選ぶのが先!という話です。

まずは床材。種類による特徴について。
人と犬の視点から見た、利点と欠点を見てみましょう。


■カラーフロア 
一般的に合板フローリングと呼ばれる12㎜~15㎜程度の床材です。最近は、ペット対応の表面が強く滑りにくいものも出ています。滑りやすいものよりは滑りにくいもののほうが良いです。耐久性は無垢材よりは基本的に低い。べニアのように積層された木質材が接着剤で接合されているので、接着剤の寿命が材料の寿命となります。擬木なので、傷が付くと、より安っぽく見えます。

■無垢フローリング
杉やパインに代表される柔らかく、足裏の心地よい針葉樹フローリング。ナラやカバやウォルナット等に代表される固い広葉樹フローリング。どちらも「本物の木」なので見た目も良い。ただし、針葉樹フローリングは素足での歩き心地は最高だが、柔らかいので傷が付きやすい。広葉樹フローリングは、固いので傷は付きにくいですが、歩き心地は良くない。しかし、無垢材は傷がついても、その傷は不自然では無い。値段は針葉樹フローリング