最初の「点数、順位、偏差値、通知表」では独学能力は測定できない - 子供の教育・受験全般 - 専門家プロファイル

坪内 康将
独学指導者 
愛知県
塾講師

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対象:子供の教育・受験

大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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閲覧数順 2024年04月22日更新

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最初の「点数、順位、偏差値、通知表」では独学能力は測定できない

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学校の点数が良い、順位が良い、偏差値が高い




これらの評価では、独学は測れません。



なぜなら、これらはあくまで「結果」を示すものであり、

独学の能力は「過程」の問題だからです。



難しく書いてしまいましたが、わかりやすく言えば



100点を取っても、誰かに教え込まれ丸暗記させられたものだった


学年1位でも進学塾で何度も授業を受け宿題をこなして取ったものだった


偏差値が高くても模試前に練習問題を大量にこなして対策して取ったものだった



これでは、独学ができるかどうかはわかりません。




実は、その逆もあり


点数が悪い、順位が低い、偏差値が低い


だから独学もできない・・・というわけではありません。






実際に授業での実践例を挙げてみましょう。



中2の生徒10人に、これから数学で習う「等式変形」を独学で勉強してもらいました。

(そのうち8人は塾屋に入塾したての子)


自分一人で理解できる教材を渡し、各自で「大丈夫だ!」という状態になったら確認テストを受けに来るように指示を出しました。


これを始める前には、この単元がまだ習っていないことや、これを独学で勉強してくれという話もしていません。



すると・・・


・「先生、これ習っていないからできません」と開いてすぐに抗議し、最後まで終わらなかった子

(中1の数学は毎回平均点以上の生徒)



・一問一問、間違えたときは「これなんで?」と聞きに来る子

(中1の数学は毎回90点近くとっている生徒)



・すべて解いて、答え合わせもせずに「先生、できました」と確認テストを受けに来る子(当然、不合格)

(中1の数学は毎回平均点くらいの生徒)



・「これ、やった問題と数字が違うから解けない」とテスト中に文句を言っている子

(中1の数学は毎回平均点以上の生徒)



結局、自分ひとりで独学をして合格したのは


入塾半年の生徒(数学は半年前は平均の半分以下)


入塾2年の生徒(数学は毎回平均点前後)


この2人でした。




このように、

最初の成績の良し悪しでは

独学の力は判断できません




もしかしたら、

今まで独学という勉強をしたことがなくて

今の成績のままなのかもしれません。


逆に、

今成績が良くても

「塾も良い先生もない」状態になったら、

とんでもない成績になるかもしれません。








私は最初の懇談で成績や通知表を確認しますが、その後ちょっと独学をさせてみると


「あ、この子は成績は良いけど塾依存だったんだな」


「この子は成績が良くなかったけど、一人で勉強してみたことがなかっただけなんだ」


「成績は良くないけど、たしかに塾で良い授業を聞いていてもできないだろうな」


「塾に通っていたみたいだけど、塾のおかげではなく、生徒自身の独学で出してた成績だな」


そういった独学の力はすぐにわかってしまいます。






私にとっては通知表や成績表よりも

勉強している姿、言動が何よりの「履歴書」です。




入塾テストをすれば、

その生徒の「結果」はわかります。


塾屋がそれを一切しないのは、

その生徒の「過程」を大事にしているからです。

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