講演会レジュメ(の一部) - 子供の教育・受験全般 - 専門家プロファイル

原田 将孝
GLS予備校 校長
塾講師

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対象:子供の教育・受験

大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)

閲覧数順 2024年04月26日更新

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講演会レジュメ(の一部)

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昨年、熊本国府高校で先生方向けの講演会を実施しました。

当日使用したレジュメの一部を掲載しておきますので、興味のある方はぜひ参考にされてください。


「学習の作法」とは、「出来る」とされる生徒が無意識で守っている、勉強における基本的なルールです。勉強というものはおよそ、このルールに従ってやっていれば必ず出来るようになるものであり、逆にこのルールから外れてしまっては出来るようにはならないものなのです。

「上手に教えているつもりなんだけど、なぜか生徒の成績は伸びないんだよなあ…」「何回教えてもすぐ忘れるから、結局3年生になっても1年生の内容も全然出来るようになっていないんだけど、どうしたらいいんだろう…?」とお悩みの先生はいらっしゃいませんか?それは、ほとんどの生徒が「学習の作法」を身につけていないからです。

たとえば、ある範囲を「適切な時間内で」「完璧に」マスターするには正しいやり方というものがあります。与えられた範囲を短時間で完璧にこなすことが出来なければ、いくらいい授業をしても教わったことをすぐに忘れてしまうため、また同じ授業をしなければいけません。しかも、同じ授業をしたところで身になるわけでもありませんので、結果何回も繰り返した挙句、ほとんど成績は伸びないといった状況に陥るのです。

また、「わけもわからずただ丸暗記してしまう生徒」がたくさんいるのですが、丸暗記だけで成績を伸ばすのには限界があります。たとえば中学英語において不定詞の3用法というものを学びますが、「名詞的用法」「副詞的用法」「形容詞的用法」というものがそれぞれ何なのか、もっと言えば「名詞」や「形容詞」というものがいったい何なのかが分かっていない人が多いため、高校英語になると途端に挫折します。品詞の概念をきちんと理解していないと、英文解釈が全く出来ないからです。

こういう場合、概念を教えるのは勿論のこと、自分でその概念をきちんと説明出来るようになるまで訓練させなければいけません(自分で説明できないというのは、わかったつもりで実はわかってないということなので)。

数学でも、「グラフを書けば誰でも解けるのにグラフを書かないから解けない」という生徒をたくさん目にします。こういう生徒に必要なのは、問題の解き方を教えることより、問題が与えられたらそれにしたがってグラフを書く訓練をさせることです。

国語であれば、「ちゃんと文章を理解する」「はっきりとした根拠をもって問題を解く」という練習をやってきたことがない生徒が大半です。何となく文章を眺めてわかったつもりになって、問題を感覚で解いて間違った問題の解説を読むだけ、という勉強しかやってきていなければ、ほとんど国語力はつきません。

実際に文章が理解できているか自分の言葉で説明させてみると、驚くぐらい出来ない生徒が多いのです。そして、実は生徒自身も、自分の言葉で説明してみようとしても出来ないことではじめて、「自分がこの文章を読めていない」という事実を認識するのです。そして、文章を読むことすらままならないので、根拠をもって問題を解くことなど出来ていない生徒がほとんどです。ためしに「どうしてこの答えを選んだか?」と聞くと、あいまいな答えしか返ってこないケースがほとんどです。ちょっと厳しい突っ込みを入れると、途端に答えに窮してしまいます。

こういう場合、やはり自分の言葉で説明出来るように繰り返し練習させる必要があります。ただ教える側が文章を解説するだけでなく、それを生徒側に説明させることが大事なのです。問題演習の際も、ただ解説するだけでなく、生徒自身が解説できるように指導しなければいけないのです。

他にも色々な事例を挙げることが出来ますが、講師から生徒に一方向的に教えるだけの指導では、「学習の作法」が身についている生徒はそれを吸収して血肉に出来るのですが、「学習の作法」が身についていない生徒はそれを吸収することが出来ず、「わかったつもりになったけど実は全然わかってない「わかったけどすぐに忘れてしまう」「その問題のやり方は覚えたけど類題は全然解けない」などといった状況に陥ってしまうのです。

これは教える側、教わる側双方にとってとても非効率です。教える側がうまい説明の方法を考えるだけでなく、説明を受けたら教わる側がそれをちゃんと自分のモノに出来るような訓練こそ必要なのです。現代の教育界においてここは盲点になっているのですが、だからこそ、この「学習の作法」を指導出来るようになれば、大きな実績を上げることが出来るのです。

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